特許証を印刷して郵送する処理に代わる対処方法(特許証オンライン発送対策)

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弁理士 実務 独学 チワワ

2024年4月1日から、希望する場合には特許証がオンライン発送となります。そこで、先日は、オンラインで受信した特許証を外注印刷して郵送するために、印刷会社について記事を書きました。しかし、外注印刷は費用が高額であるという問題があります。そこで、今日は、印刷→郵送に代わる対処方法を検討してみます。

出願人に特許証を受け取ってもらう

特許証は、特許料の納付者に送付されるシステムになっています。そのため、出願人が特許料を郵送で納付した場合には、当該出願人に特許証が送付されます。そこで、出願人に郵送で特許料を納付してもらえば、紙の特許証が出願人に郵送されます※。このようにして、出願人自身に特許証を受け取ってもらえば、印刷→郵送の必要がありません。なお、出願人の担当者が確実に受け取れるように、郵便物の受け取りから担当者への回送までのルール化をしっかりしておく必要があります
※ただし、納付者(出願人)が、「オンライン発送利用希望」を「あり」としていれば、 オンライン発送されてしまいます。

ちなみに、特許料納付手続きを代理人が代理した場合には、当該代理人が「オンライン発送利用希望」を「あり」としていれば、郵送で納付してもオンライン発送されてしまいます。なお、特許料の納付(特許料納付書)は電子化手数料の対象とはなりません(「電子化手数料対象書類一覧

第三者に特許証を受け取ってもらう

上述したように、特許証は特許料の納付者に送付されます。そのため、出願人ではない第三者が特許料を納付した場合には、当該第三者に特許証が送付されます(特許庁登録室に確認済み 2024/4/5)。そこで、出願人の担当者(個人)に郵送で特許料を納付してもらえば、紙の特許証が担当者に郵送されます。ただし、ここでの郵送先は、担当者個人の住所ではなく、居所(例えば会社)にすることが望ましいと思います。

なお、説明するまでもないですが、「特許料を納付すべき者以外の者は、出願人の意に反しても、特許料を納付できます(特110条1項)」。そのため、出願人の担当者(個人)は、「特許料を納付すべき者以外の者」として、特許料を納付できます。

再交付を請求する

特許証の電子データを紛失すれば(うっかり紛失してしまえば)、再交付を請求できます。この場合、特許証の電子データの再交付はできず、再交付請求を行った場合は、普通郵便による発送で再交付をうけることができます(「発送手続のデジタル化について 6.FAQ Q7」)。

そこで、再交付を請求すれば、代理人(又は出願人)に特許証が送付されます。ただし、再交付は、紛失した場合、汚した場合、破損した場合にのみできる手続きです。そのため、度々紛失するようなことがあると、運用が変わってしまう可能性もあるので、おすすめはしにくいです。

特許証をオンラインで受信しない

出願ソフトにおいて「共通」の選択を外して受信すれば、特許庁からの発送書類のうち、2024年3月31日以前に書面で発送されていた書類(特許証・登録証等)だけをオンライン受信しないことができます( 「特許庁からの発送書類(補正指令、登録査定など)を受信したい」 )。ただし、特許証以外の特定の書類(識別番号通知等)もオンライン受信できないので、同時に特定の書類を受信する場合には注意が必要です。

そして、オンライン受信しなければ、受け取り可能になった日から起算して開庁日で10日を経過した後で、特許証が代理人に郵送されます(「オンライン発送の概要」)。

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以上、印刷以外の方法を検討してみました。なお、以下の記事では、特許証の外注を前提に印刷会社のご紹介をしております。よろしければ、ご参照ください。

これまで印刷していた会社を探して、オンライン発送される特許証の印刷を外注しよう

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