弁理士試験-審判における、「請求項ごと」の意味

審判における、「請求項ごと」の意味
Re: 審判における、「請求項ごと」の意味 – NON
2014/11/29 (Sat) 20:44:50
特許法123条第2文は、「2以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる」という任意規定となっていて、「請求項ごとに請求しなければならない」という義務規定ではないですよね?
そこで、複数の請求項に係る特許権に対して無効審判を請求する際に、審判請求書の請求の趣旨に「特許第○○○○○○○号の全ての発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と記載して、「請求項ごと」に請求するのではないことを明確に示した場合、どうなるのでしょうか?
Re: 審判における、「請求項ごと」の意味 – 初球者
2014/11/30 (Sun) 10:28:25
123条に「請求項ごとに請求しなければならない」と書かれてあったら、明細書の新規事項追加や冒認など請求項に関わらないものは無効審判できないことになりますよね?
以下、正確性に欠けるところはご勘弁いただき、ざっくりと書いてみます。
明細書の新規事項追加を理由として無効審判するなら、123条第1文に基づき「特許ごと」に無効審判を請求することになり、審決も「事件ごと」に確定する。
新規性・進歩性違反を理由として「請求項に対して」無効審判する場合は、123条第2文に基づき「請求項ごと」に無効審判を請求することになり、審決も「請求項ごと」に確定する。
よって、「全ての発明についての特許を無効とする」と書いても「発明=請求項」ですから請求項に対してなされた無効審判であることに変わりはなく、請求項ごとに確定します。
ただし明細書の一覧性の問題から、一群の請求項については一群ごとに確定してくれないと請求項の内容が把握できなくなるので、一群の請求項ごとに確定する。
間違ってたら私の勉強にもなるので、ご指摘いただけるとうれしいです。
Re: 審判における、「請求項ごと」の意味 – NON
2014/12/03 (Wed) 00:06:25
初球者さん、コメントありがとうございました。
条文は「請求項ごとに請求することができる」と規定していますが、実際の運用は「請求項ごとに請求したものとみなす」ということなのかもしれませんね。
あくまでも特許権全体を一体的に無効とすることを請求するのだと、とことんまで争ってみたら、どうなるなるでしょうね。
Re: 審判における、「請求項ごと」の意味 – 初球者
2014/12/03 (Wed) 00:35:08
「あくまでも特許権全体を一体的に無効とすることを請求するのだと、とことんまで争ってみたら」
⇒認められない請求の仕方は、審決却下じゃないっすか?(笑)
Re: 審判における、「請求項ごと」の意味 – 管理人
2014/12/03 (Wed) 12:30:29
初球者さん
回答へのご協力ありがとうございます。
さて、請求の趣旨に「特許第○○○○○○○号の全ての発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と記載した場合、全部無効を求める請求であるとして取り扱われると思われます(料金不足等の問題が無ければ)。
例えば、昔の無効審判請求書の作成要領には、「特許第○○○○○○○号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求める。」という、請求の趣旨の記載例があります。
(https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/sinpan/sinpan2/pdf/sample_bill_sinpan/03_12.pdf)
なお、明細書の新規事項追加であろうが、新規性の不備であろうが、請求項ごとの請求が可能です。
例えば、1000項の請求項がある特許の請求項1だけを無効にしたい場合に、他の請求項の分まで請求人に料金を負担させるのは酷ですよね。
また、H23改正本に詳しいですが、審決は原則として審判事件毎に確定します。
ところで、「特許権全体を一体的に無効とすることを請求する」というのは、全部無効の求めですので、請求として認められると思われます。
仮に形式的に認められないならば、補正命令(特133条)が出て、これに応じなけれ決定却下の対象となるでしょう。
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