第7条 (通常実施権の留保)※会社原始取得の場合

以下に、職務発明取扱規程例を掲載するが、これは一例に過ぎず、特許法第35条に適合すること、及び現実の職務発明等を取り扱うために必要十分であることを保証するものではありません。実際に職務発明取扱規程を策定・改定するに際しては、弁理士等の専門家の見解を仰ぎ、企業毎に適した規程及び制度を策定して下さい。なお、本職務発明取扱規程例では、汎用性を高めるために細かい手続的規程は別途細則にて定めるという形式を採用しています。

第7条 (通常実施権の留保)※会社原始取得の場合

会社は、職務発明等について特許出願等を行わない決定をした場合に、当該職務発明等に係る特許等を受ける権利を発明者等に返還できる。

2 会社は、特許等を受ける権利を返還した場合であっても、その発明等の通常実施権を留保する。

解説

・通常実施権を留保することは注意的な条項であるが(特許法第35条1項)、従業者等への確認の意味を込めて明文化している。

・取得しない発明に係る特許等を受ける権利は、発明者等に帰属する旨を定めても良い。なお、届け出られた発明等を取得する場合、原則として出願の有無に関わらず発明等の対価を支払う必要があると解される。そのため、対価支払いを回避するために、出願しない発明等については、発明者等に全て返還してしまうという方法もある。

例文

裁センター例:第7条 (権利の承継)
会社は、職務発明に係る権利を承継する旨を、当該職務発明を行った従業者等に通知する。会社は意思表示その他何らの手続を要せず、当該職務発明につき特許を受ける権利を当該従業者等から承継する。
2 会社は、特許を受ける権利を会社が承継すると決定したときは、ただちに特許出願を行う。但し、ノウハウとしての保護が適当な場合、会社はその裁量において特許出願を行わないことができる。
3 会社は、職務発明であるが、公知資料調査の結果特許性がないことが客観的に認められる場合、防衛的に公開技報に掲載することができる。
4 会社が職務発明に係る権利を承継しない旨を通知した場合には、当該職務発明に係る権利はこれをなした従業者等に帰属するが、会社は、明示の意思表示がある場合を除き、当該職務発明についての通常実施権を留保するものとする。
5 本条第2項による特許出願をしないものとした決定通知、および前項による承継しない旨の決定通知は、それぞれその理由を付して行う。
6 前項の理由通知を受けた場合に、従業者等は発明審査会長に対し追加説明を求めることができる。

参考集

・IP評価研究会作成「新職務発明制度への対応」 2005年5月30日 発行(例文中、仲裁センター例として引用)
・社団法人発明協会研究部編著「職務発明ハンドブック」2000年9月19日発行 (例文中、発明協会例として引用)
・ 特許庁作成「中小企業向け職務発明規程ひな形」2016年4月1日更新(例文中、特許庁例として引用)
・ 東京都知的財産総合センター作成「職務発明制度改正対応の手引」2016年9月作成( 例文中、総合センター例として引用 )

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