弁理士試験-国際出願と拡大先願

国際出願と拡大先願
PCT出願と29条の2 – あやパパ
2016/06/15 (Wed) 18:59:39
以前にまったく同じような質問をしていることにワード検索で分かりました。当時は、全指定と国内移行とを理解しないで質問していたように見えます。しかし、今になってそのヤリトリを読んでもよく分からないものですから、どうか宜しくお願いします。
①甲がイについて特許出願A(日本語)を日本で
②乙がイについて特許出願B(日本語)を日本で
③甲がAについて優先権を主張してPCT出願C
(日本は全指定で指定国、自己指定、国内優先(パリ4条))
④①から産業省令で定められた期間経過後(1年4カ月)Aが取り下げ擬制(42条1項)。
⑤Aから1年半後にCが国際公開(日本語)
⑥Cは国内移行されなかった。補正命令の後、出願は却下された(184条の5第3項)
ここで、乙がイについてBを審査請求した場合ですが、
(1)Cが日本語で国際公開されているので、29条の2で拒絶される。日本語で公開されていて内容が分かるから。
(2)Cは日本に国内移行されていないので、29条の2では拒絶されない。Cは拡大先願とは言えないから。
のどちらが正しいのですか?
またまた、超基本で恥ずかしいのですが、
どうか宜しくお願いします。
英語でPCT出願していて、英語で国際公開されている場合、翻訳文が提出されていれば、国内移行されていなくても拡大先願の地位を有する位ですから、
当然(1)だと私は思うのですが、
会社内での特許に関連した会議で(私は開発部)、知財部の社内弁理士さんが(2)だと言うもので、少々困惑している次第です。宜しくお願いします。
Re: PCT出願と29条の2 – 管理人
2016/06/16 (Thu) 14:34:08
日本語特許出願が国際公開後に国内移行されなかった(国内書面が提出されなかった)ときは、特29条の2の後願排除効を有すると思われます。
理由は、そのような場合に後願排除効を否定する条文がない(特184条の13では国内書面が提出されなかった日本語特許出願が除外されていない)からです。
また、国内移行は、国際特許出願がわが国の特許出願とみなされる要件に含まれていない(特184条の3第1項)からです。
なお、出願公開請求後に取り下げ等がされた出願であっても、いわゆる拡大先願の地位を有します。
Re: PCT出願と29条の2 – あやパパ
2016/06/16 (Thu) 16:26:28
管理人様
いつもながらの明解は解説、本当にありがとうございます。
184条の3第1項が非常に重要ですね。
国内移行手続きで出願が認定されるのではなくて、
全指定された時点で出願は認定されていて、
国内移行手続き(翻訳文提出、手数料支払い、管理人届け出)がされたことで、出願却下や取り下げ擬制がなくなり、審査請求の準備が整った、というところでしょうか?
正しいですか?
Re: PCT出願と29条の2 – 管理人
2016/06/17 (Fri) 11:56:46
概ねよろしいと思います。
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