「第2部第1章 工業上利用することができる意匠」、「第7部第1章 部分意匠」、「第7部第4章 画像を含む意匠」の改訂について

「第2部第1章 工業上利用することができる意匠」、「第7部第1章 部分意匠」、「第7部第4章 画像を含む意匠」の改訂について
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「第2部第1章 工業上利用することができる意匠」、「第7部第1章 部分意匠」、「第7部第4章 画像を含む意匠」の改訂について(特許庁)
かなり前(7月22日)話ですが、意匠審査基準の改訂が公表されました。
弁理士試験上も大事なので、一度御確認することをお勧めします。
以下、ポイントです。
「意匠が具体的なものと認められない場合の例」における6面図が揃っていない場合の中で、例外的に6面図が揃っていると判断される例
「ホ 意匠法第2条第2項に規定する物品と一体として用いられる物品に表示される画像についてのみ意匠登録を受けようとする部分意匠の出願の場合において、画像図以外の意匠に係る物品を表す一組の図面又は一部の図を省略した場合」
「ヘ 物品の部分について意匠登録を受けようとする場合であって、意匠登録を受けようとする部分以外の部分のみが表れる図のうち、以下のaからcのいずれかに該当する図を省略した場合
 a正面図又は背面図のいずれか一方
 b左側面図又は右側面図のいずれか一方
 c平面図又は底面図のいずれか一方」
「部分意匠の意匠登録出願における図面等の記載」における図面の省略が認められる場合
「①意匠法施行規則様式第6備考8に規定される同一又は対称である場合の一方の図の省略
 ②意匠法施行規則様式第6備考9の規定により認められた図の省略
 ③意匠法施行規則様式第6備考10に規定される表面図と裏面図が同一若しくは対称の場合又は裏面が無模様の場合の裏面図の省略
 ④正面図、背面図、左側面図及び右側面図が同一の場合の、背面図、左側面図及び右側面図の省略
 ⑤意匠法第2条第2項に規定する物品と一体として用いられる物品に表示される画像についてのみ意匠登録を受けようとする部分意匠の出願の場合における、画像図以外の意匠に係る物品を表す一組の図面又は一部の図の省略
 ⑥物品の部分について意匠登録を受けようとする場合であって、意匠登録を受けようとする部分以外の部分のみが表れる図のうち、以下のaからcのいずれかに該当する図の省略
 a正面図又は背面図のいずれか一方
 b左側面図又は右側面図のいずれか一方
 c平面図又は底面図のいずれか一方」
「意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められる画像について」
「意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められる画像については、具体的には以下の通り。
 (1)画像を含む意匠に係る物品が、意匠法の対象とする物品と認められるものであること(第2部「意匠登録の要件」第1章「工業上利用することができる意匠」21.1.1.1「物品と認められるものであること」参照)
 (2)物品の表示部に表示される画像が、以下の()及び()の要件を満たすこと
 ()その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像であること
 ()その物品にあらかじめ記録された画像であること」
「74.1.1 物品の表示部に表示される画像が、その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像であること
 物品の表示部に表示される画像が、意匠法第2条第1項に規定する意匠を構成するためには、当該画像が、その物品の機能を果たすために必要な表示を行うものでなければならない。
 物品の「機能」とは、当該物品(別表第一による物品の区分、またはそれと同程度の区分を指す)から一般的に想定できる機能を意味する。例えば「置時計」であれば、時刻を表示する機能が物品の「機能」である(【事例1】)。複数の機能を物品自体が備え持つ物品は、それぞれの機能が物品の「機能」であるといえ、例えばストップウォッチ機能付きの「腕時計本体」であれば、時刻表示機能、時間計測表示機能が物品の「機能」といえる(【事例2】)。
 なお、意匠登録を受けようとする意匠に係る物品が一般的に想定できない機能を有している場合は、願書の記載等でどのような機能を有しているかを示すことで、その機能を果たすために必要な表示を行う画像についても保護を受けることができる(【事例3】)。
 物品の機能については、例えばデジタルカメラの撮影機能のほかに、撮影時に水平状態を確認するための水準器表示等、機能と密接に関連した付随機能が存在するが、このような付随機能を果たすために必要な表示を行う画像についても、物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像とする(【事例4】)。
 (注)複数の機能を有する物品の取扱い
 当該画像が物品のどの機能を果たすために必要な画像であるのか、その物品からは直接導き出すことができないような複数の機能を有する物品については、その旨の説明を記載する必要がある。」
「74.1.2 物品の表示部に表示される画像が、その物品にあらかじめ記録された画像であること
 物品の表示部に表示される画像は、その物品にあらかじめ記録された画像である必要がある。したがって、テレビ番組の画像、インターネットの画像、一体として用いられる他の物品からの信号による画像を表示したものなど物品の外部からの信号による画像を表示したもの、物品に接続又は挿入された記録媒体に記録された画像を表示したもの及び事後的に記録された画像を表示したものは、意匠を構成するものとは認められない。
 また、物品から独立して創作され、販売されるビジネスソフトやゲームソフト等をインストールすることで表示される画像については、物品にあらかじめ記録されたもの(プリインストールされたもの)であっても、意匠を構成しないものとする。
 ①電子計算機の取扱い
物品から独立して創作され、販売されるソフトウェア(OSも含む)をインストールすることで表示される画像(プリインストールされたものも含む)は、保護対象とはならない。
 ②ゲーム機の取扱い
 物品から独立して創作され、販売されるゲームソフトをインストールすることにより表示されるゲームの画像(ゲーム機にプリインストールされたものも含む)、ゲームを記録した記録媒体を挿入することにより表示されるゲームの画像は、保護対象とはならない。
 なお、電池残量表示など、ゲームソフトによらないゲーム機本体の機能を果たすために必要な表示を行う画像であって、物品にあらかじめ記録されたものについては、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められる。」
「意匠法第2条第2項に規定する画像について」
「ただし、当該画像が、当該物品の有する機能を果たすために必要な表示を行うものであって、当該物品にあらかじめ記録された画像である場合には、意匠法第2条第1項に該当する画像として保護対象となり得る(74.1「意匠法第2条第1 項に該当する画像について」参照)。」
「74.3.1 画像を含む意匠登録出願における願書の記載事項」の「(3)「意匠の説明」の欄の記載」
「変化する画像について、図面の記載のみでは変化の順序又は変化の態様が明らかでないときは、これらについての説明を記載する。」
同「(4)「意匠に係る物品の説明」の欄の記載」
「②画像が意匠法第2条第1項の規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められるものである場合、図面の記載のみでは当該画像が物品のどのような機能を果たすために必要な表示を行う画像であるか及び画像の用途、機能が明らかでないときは、これらについての説明を記載する。」
同「(5)画像を含む意匠登録出願における図面等の記載」の「③図の省略」
「③図の省略
 以下の()から()のいずれかに該当する場合には、図の省略が認められる。
 ()意匠法施行規則様式第6備考8に規定される同一又は対称である場合の一方の図の省略
 ()意匠法施行規則様式第6備考9の規定により認められた図の省略
 ()正面図、背面図、左側面図及び右側面図が同一の場合の、背面図、左側面図及び右側面図の省略
 ()意匠法第2条第2項に規定する物品と一体として用いられる物品に表示される画像についてのみ意匠登録を受けようとする部分意匠の出願の場合における、画像図以外の意匠に係る物品を表す一組の図面又は一部の図の省略
 したがって、意匠に係る物品と一体として用いられる物品(表示機器等)に表示される画像を含む意匠を部分意匠として意匠登録出願する場合、意匠に係る物品全体の形態についての一組の図面を省略することができる。すなわち、【画像図】のみの意匠登録出願が認められる。
()物品の部分について意匠登録を受けようとする場合であって、意匠登録を受けようとする部分以外の部分のみが表れる図のうち、以下のイからハのいずれかに該当する図の省略
イ正面図又は背面図のいずれか一方
ロ平面図又は底面図のいずれか一方
ハ左側面図又は右側面図のいずれか一方
④参考図
【意匠に係る物品の説明】の欄等、願書の記載だけでは意匠を十分に表現することができないときは、画像中の各部の用途及び機能や操作方法を説明する参考図を添付」
「74.5.1 工業上利用することができる意匠」
「74.5.1.1.1 画像が意匠を構成するものであること
 意匠に含まれる画像が、意匠を構成するためには、以下の(1)又は(2)のいずれかに該当しなければならない。
 (1)物品の表示部に表示される画像が、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められるものであること
 (2)意匠に含まれる画像が、意匠法第2条第2項において規定する画像を構成するものであること
 74.5.1.1.1.1 物品の表示部に表示される画像が、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められるものであること
 物品の表示部に表示される画像が、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められなければならない。物品の表示部に表示される画像が、以下の()及び()の要件を満たす場合、当該画像は、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められる。
()物品の表示部に表示される画像が、その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像であること
()物品の表示部に表示される画像が、その物品にあらかじめ記録された画像であること
 74.5.1.1.1.1.1 物品の表示部に表示される画像が、その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像であること
 物品の表示部に表示される画像が、意匠法第2条第1項に規定する意匠を構成するためには、当該画像が、その物品の機能を果たすために必要な表示を行うものでなければならない。
 物品の「機能」とは、当該物品(別表第一による物品の区分、またはそれと同程度の区分を指す)から一般的に想定できる機能を意味する。例えば「置時計」であれば、時刻を表示する機能が物品の「機能」である。複数の機能を物品自体が備え持つ物品は、それぞれの機能が物品の「機能」であるといえ、例えばストップウォッチ機能付きの「腕時計本体」であれば、時刻表示機能、時間計測表示機能が物品の「機能」といえる。
 なお、意匠登録を受けようとする意匠に係る物品が一般的に想定できない機能を有している場合は、願書の記載等でどのような機能を有しているかを示すことで、その機能を果たすために必要な表示を行う画像についても保護を受けることができる。
 物品の機能については、例えばデジタルカメラの撮影機能のほかに、撮影時に水平状態を確認するための水準器表示等、機能と密接に関連した付随機能が存在するが、このような付随機能を果たすために必要な表示を行う画像についても、物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像とする。
 74.5.1.1.1.1.2 物品の表示部に表示される画像が、その物品にあらかじめ記録された画像であること
 物品の表示部に表示される画像は、その物品にあらかじめ記録された画像である必要がある。したがって、テレビ番組の画像、インターネットの画像、一体として用いられる他の物品からの信号による画像を表示したものなど物品の外部からの信号による画像を表示したもの、物品に接続又は挿入された記録媒体に記録された画像を表示したもの及び事後的に記録された画像を表示されたものは、意匠を構成するものとは認められない。
 また、物品から独立して創作され、販売されるビジネスソフトやゲームソフト等をインストールすることで表示される画面デザインについては、物品にあらかじめ記録されたもの(プリインストールされたもの)であっても、意匠を構成しないものとする。」
「74.5.1.1.2 意匠を構成する画像に該当しないもの」
「(1)装飾表現のみを目的とした画像
 装飾表現のみを目的とした画像は物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像とは認められず、また、物品の機能を発揮するための操作に用いる画像とは認められないため、意匠を構成しない。
 ((2)映画等(いわゆるコンテンツ)を表した画像
テレビ番組の画像、インターネットの画像など物品の外部からの信号による画像を表示したもの及び物品に接続又は挿入された記録媒体に記録された画像を表示したものは、物品にあらかじめ記録された画像ではないため、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合とは認められない。また、意匠法第2条第2項に規定する物品の機能を発揮するための操作に用いる画像とも認められない。
 (3)汎用の表示器に表示された画像
 汎用の表示器に、一体として用いられる他の物品からの信号による画像を表示したもの、物品に接続された記録媒体に記録された画像を表示したものなど、物品の外部からの信号による画像を表示したものは、表示器という物品にあらかじめ記録された画像ではないため、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合とは認められない。
 意匠法第2条第2項では「これと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする」と規定され、当該物品の機能を発揮するための操作に用いられる画像であって当該物品と一体として用いられる表示器等に表示される画像は保護対象となるが、その場合、意匠に係る物品は表示器ではなく当該物品となる。したがって、汎用の表示器の表示部に表示された操作画像は、表示器の機能を発揮できる状態にするための操作の用に供される画像である場合を除き、意匠法第2条第2項に規定する物品の機能を発揮するための操作に用いられる画像とは認められない。
 (4)記録媒体に記録された画像
 記録媒体は表示部を持たないため、記録媒体に記録された画像は、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合とは認められない。
 (5)電子計算機の取扱い
 物品から独立して創作され、販売されるソフトウェア(OSも含む)をインストールすることで表示される画像(プリインストールされたものも含む)は、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合とは認められない。
 また、電子計算機は、本来的な機能が情報処理であるため、電子計算機でソフトウェアを使用することは、電子計算機の情報処理機能を発揮している状態の画像に該当するため意匠法第2条第2項に規定する画像に該当しない。
 (6)ゲーム機の取扱い
 物品から独立して創作され、販売されるゲームソフトをインストールすることにより表示されるゲームの画像(ゲーム機にプリインストールされたものも含む)、ゲームを記録した記録媒体を挿入することにより表示されるゲームの画像は、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合とは認められない。
 ただし、電池残量表示など、ゲームソフトによらないゲーム機本体の機能を果たすために必要な表示を行う画像であって、物品にあらかじめ記録されたものについては、意匠法第2条第1項に規定する物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合と認められる。
 また、ゲームの画像は既にゲーム機能を発揮した状態の画像に該当するため意匠法第2条第2項に規定する画像に該当しない。
 ただし、ゲーム機本体の設定用の画像等は、意匠法第2条第2項に規定する物品の機能を発揮するための操作に用いられる画像として保護される。」
「74.5.1.2 意匠が具体的なものであること」の「(1)意匠が具体的なものと認められない場合の例」
「⑥「画像」が変化する場合に、変化の順序、変化の態様が明らかでない場合」
「4.5.2.2.1 公知意匠と画像を含む意匠の類否判断」
「なお、複数の画像からなる変化する画像と変化を伴わない画像との類否判断及び変化する画像同士の類否判断は、変化する画像の変化の前後の態様も含めて総合的に観察して行う。」
「公然知られた意匠が複数の画像からなる変化する画像であった場合、出願意匠との類否判断は、公然知られた意匠を構成する複数の画像の中の一部の画像との間で行う。」
「74.5.3 創作非容易性」
「なお、変化する画像についての意匠法第3条第2項の規定の適用についての判断は、変化の前後を示す各画像が、当該意匠登録出願前に公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて当業者であれば容易に創作することができたものであるか否かを判断すると共に、変化の態様について当業者にとってありふれた手法に基づく変化であるか否かを判断することにより行う。すなわち、以下の①、②の場合には、出願の意匠は容易に創作できたものとは認められず、意匠法第3条第2項の規定には該当しない。
 ①変化の前後を示す各画像が当該意匠登録出願前に公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて当業者であれば容易に創作することができたものであるが、変化の態様は当業者にとってありふれた手法に基づく変化ではない場合
 ②変化の態様は当業者にとってありふれた手法に基づく変化であるが、変化の前後を示す各画像は当該意匠登録出願前に公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて当業者が容易に創作することができたものでない場合」
同「容易に創作することができる意匠と認められるものの例」
「⑦公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づき、ありふれた手法による変化の態様を表したにすぎない意匠公然知られた画像に基づき、その意匠の属する分野においてありふれた手法による変化の態様を表したにすぎない意匠。
 なお、変化前の画像が当該意匠登録出願前に公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて当業者であれば容易に創作することができたものであっても、変化の態様が当業者にとってありふれた手法に基づく変化ではない場合には、出願意匠は容易に創作できたものとは認められず、意匠法第3条第2項の規定には該当しない。」
「74.8.1.3 画像を含む意匠において、画像が変化する場合」
 画像を含む意匠において、画像は物品の部分の形態であるため、一つの意匠には原則一つの画像が表れる。このため、一つの出願に複数の画像が表されている場合、一つの出願に複数の「画像を含む意匠」を包含し、意匠法第7条に規定する意匠ごとにした意匠登録出願と認められないものである。
 ただし、意匠に係る物品の説明等の願書の記載及び願書に添付された図面の内容から、複数の画像が、物品の同一機能を果たすために必要な表示を行う画像又は物品の同一機能を発揮できる状態にするために行われる操作の用に供される画像(以下、「物品の同一機能のための画像」という。)であり、かつ、形態的な関連性があるものと認められる場合は、これら複数の画像を含んだ状態で一つの意匠として認められる。
 例えば、意匠登録を受けようとする意匠として、複数の図を用い画像が連続的に切り替わる様子が表されている場合(いわゆるアニメーション効果を示すことを意図したものと認められる場合を含む。)、それら複数の画像のうち、物品の同一機能のための画像であり、かつ形態的な関連性がある画像については、変化の前後を示す図とし、一つの意匠として取り扱い得る。」
「74.8.1.4 複数の画像が一意匠として認められるもの」
「複数の画像を含む意匠について、変化前の画像と変化後の画像が物品の同一機能のための画像であり、かつ、変化前の画像と変化後の画像とが形態的な関連性がある画像であると認められれば、これら複数の画像を含んだ状態で一つの意匠として認められる。」
「【意匠に係る物品】携帯電話機
 【意匠に係る物品の説明】(略)本物品は、歩数計測表示機能を持つ携帯電話機である。正面図中の履歴ボタンを選択することにより、過去の歩数履歴をグラフ表示することができる。正面図及び変化した状態を示す正面図に表された画像は、歩数表示機能のための画像である。
 (注)本事例は、上端部及び下端部に表される図形等において、形態的な関連性が認められるものである。
 物品が有する一の機能を発揮できる状態にするために複数の連続する入力指示(選択指示)を行う必要がある場合等、操作の連続性が認められる場合には、これらの入力指示(選択指示)と対応して連続的に変化する一連の画像は、物品の同一機能のための画像と認められる。
 例えば、銀行のATMにおける振込機能のように、初期メニュー画面の対応アイコンから、取引銀行入力、振込宛先入力、振込金額入力、送金に至るまで、それぞれ個別の画像ごとでも、これらすべてを含む振込機能全体の遷移画面としてでも、物品の同一機能のための画像と認められる。
 74.8.1.4.2 形態的な関連性が認められるものであること
 複数の画像を含んだ状態で一意匠と認められるためには、変化の前後の画像について、図形等の共通性による形態的な関連性が認められなければならない。
 三以上の画像を含む意匠の場合は、形態的関連性の有無の判断は、直前直後の画像について行う。
 画像の一部について意匠登録を受けようとする部分とする意匠登録出願については、意匠登録を受けようとする部分について、変化の前後の画像に、図形等の共通性による形態的関連性が認められなければならない。
 74.8.1.4.2.1 形態的な関連性が認められる代表例
 (a)図形等の移動等
 図形等が、それ自体はほとんど形状変化を伴わずに、画像内で、連続的に移動、拡大、縮小、回転、色彩変化するもの。
 (b)同一の図形等の増減
同一の図形等が、画像内で連続的に増減(現出、消失)するもの。
 (c)画像内のレイアウト変更
 機器の使用状態に応じて図形等の配置の向きや縦横比を変更するもの。図形等が、それ自体はほとんど形状変化を伴わずに、画像内で配置を変更するもの。
 (d) 画像又は図形等自体の漸次的な変化
 遷移前の画像の一部を残しつつ新たな画像が漸次的に現れ、最終的に新たな画像に遷移するもの。変化の最初と最後では図形等の形態が異なるものの、その変化途中の画像の開示によって、当該図形等が漸次的に変化すると認められるもの。
 (e)共通モチーフの連続的使用
 画像のヘッダー部分や背景に同一の図形等からなる共通のモチーフが連続的に使用されているもの。
 (f)追加的な図形等の展開
 操作に連動して、画像内に新たな図形等が出現又は消失するもの。(例えば、プルダウンメニュー、サブメニュー、サブウインドウの展開、アイコン等に関連したポップアップ表示の現出又は消失。)」
「74.8.1.5.2 形態的な関連性がない複数の画像」
 「変化の前後の画像の図形等に共通性がない(又は共通性が極めて小さい)場合等、変化の前後の画像の形態にまとまりがない場合には、形態的関連性が認められず、一意匠とは認められない。
「74.10 画像を含む意匠の意匠登録出願に関する意匠法第9条及び第10条の規定」
 「なお、静止画像と変化する画像との類否判断及び変化する画像同士の類否判断は、変化する画像の変化の前後の態様も含めて総合的に観察して行う。」
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