弁理士試験-H28意匠問10

H28意匠問10
H28短答意匠10番の枝2と4 – あやパパ
2016/06/29 (Wed) 21:10:49
今年の短答の意匠の10番の枝2,4のどちらが間違っているかでL予備校で意見が割れたそうです。
枝2:意匠法第2条第2項に規定する物品の操作のように供される画像の意匠権者は、その画像による操作がその意匠登録出願前の出願にかかる他人の「プログラム」に係る特許発明によってのみ実現されるとき、その操作画像に係る意匠を業として実施することは出来ない。
私の解釈 正しい
意匠権を有していてもそのプログラムを使っている以上、特許発明を業として実施しており、侵害している。画像を表示しようとすると必ずプログラムを使わざるをえず、逆はないので、利用関係とも言える。
枝4:物品「電気炊飯器」に係る意匠の意匠権者は、その実施品である電気炊飯器に組み込まれた制御回路が意匠登録出願前の出願に係る他人の特許発明を利用するものであるとき、その登録意匠の実施をするための通常実施権の許諾について、一定の条件の下、特許庁長官に対して裁定を請求することが出来る。
私の見解 間違い
意匠とは関係のない、外からは見えない制御回路が、他人の特許発明を利用している。技術と技術との関係であって、意匠とは関係がない。つまり、意匠としての利用関係はなくて、発明を実施しており、侵害にあたる。意匠権は関係がないので、裁定の請求は出来ない。
ここで、少し問題かなと思うのは、問題文の”一定の条件の下”の一定の条件とは何かでしょうか。もし、炊飯器がスケルトンの炊飯器で、電気炊飯器に組み込まれた制御回路が視覚を通して美感に訴えるものであって、”他人の特許発明”が回路のデザイン的にも美しさを伴うものであるような場合には、もしかすると利用の裁定が得られるのだろうか?とか考えました。L予備校の講師がどう考えたのかは不明です。
管理人様はどう思われますか?
L予備校によると、このような問題が出たこともあり、今年の論文試験では利用か抵触が出る可能性が高いとのことでした。
Re: H28短答意匠10番の枝2と4 – 管理人
2016/06/30 (Thu) 12:17:59
枝2はいわゆる実施上の利用(後願発明を実施する上において先願発明を実施しなければならない関係)ですね。
これは利用に含まれると介されるので、答えは「正しい」になります。
枝4の答えは「誤り」ですが、制御回路が専用品でないので実施上の利用に該当しないということだと思います。
確かに、世の中にはスケルトンの炊飯器も存在しますし、その場合に回路設計の技術的な観点から特許が、美観的観点から意匠が生じることはあると思いますが・・・他の枝との比較ですね。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090518/1026318/12_px221.jpg
なお、「一定の条件」は、協議を求めたが、これが成立せず又はすることができないという条件のことでしょう。
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なお、直近の本室更新は「H28年短答試験問13」です。

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