訂正請求の要件違反

訂正請求の要件違反に関する質問
なお、ご質問は「独学の弁理士講座BBS」でお願いします。
訂正請求について – 倭猿
2009/04/15 (Wed) 09:37:40
「訂正請求の要件違反があったとき、無効審判の請求人は、134条の2第3項に基づいた「申し立て」をすることが、特許法上の手続としてできるのでしょうか?できるのであれば、どのような手続になるのでしょうか?
あと、その審判が係属している間は、訂正請求は確定しないから、訂正要件違反の無効理由(123条1項8号)へと、請求書の要旨変更補正はできないと考えてよろしいでしょうか?
よろしくお願いいたします。」
Re: 訂正請求について – 管理人
2009/04/15 (Wed) 12:11:42
「倭猿さん
ご質問ありがとうございます。
以下、回答です。
>訂正請求の要件違反があったとき、無効審判の請求人は、134条の2第3項に基づいた「申し立て」をすることが、特許法上の手続としてできるのでしょうか?できるのであれば、どのような手続になるのでしょうか?
特134条の2第3項は強行規定ですので、必ず申し立ての機会が与えられます。
つまり、職権で訂正要件違反を発見した場合、訂正拒絶理由通知が請求人にも送られ、請求人はこれに対して意見書を提出できます。
>その審判が係属している間は、訂正請求は確定しないから、訂正要件違反の無効理由(123条1項8号)へと、請求書の要旨変更補正はできないと考えてよろしいでしょうか?
まず、訂正請求が訂正要件違反である旨(つまり、訂正前の原特許に戻り、当初の審判請求書に記載した理由により無効である旨)の補正は、請求理由の要旨変更には該当しません。
よって、適式な補正手続によれば、請求の理由を補正可能です。
なお、訂正された特許が新たな無効理由を有する旨の補正は、要旨変更となります。
ただし、特131条の2第2項1号により、審判長の補正許可の対象となります。」
Re: 訂正請求について – 倭猿
2009/04/15 (Wed) 12:36:59
「管理人様
回答ありがとうございます。
ちょっと説明不足だったかと思われますので補足します。
>>つまり、職権で訂正要件違反を発見した場合、訂正拒絶理由通知が請求人にも送られ、請求人はこれに対して意見書を提出できます。
私としては、職権で訂正要件違反を発見した場合を想定していませんでした。
「当事者又は参加人が申し立てない理由についても」(134条の2第3項)、という文言から、審判長が職権審理するかしないかを問わず、審判請求人は訂正要件違反の「申し立て」をすることができるか?
というのが質問の内容です。
また、後段の質問は、前段の質問の続きです。前段の訂正要件違反を根拠に、123条1項8号の無効理由へと要旨変更補正が可能かどうかどうかを確認したかったのです。
訂正請求の内容は、無効審判の審決が確定しない以上確定しないからです(確か、運用または審判便覧)。
>>なお、訂正された特許が新たな無効理由を有する旨の補正は、要旨変更となります。
この内容からしますと、管理人さんは、訂正請求の内容は、無効審判の審決確定前に確定するという意見をお持ちなのでしょうか?」
Re: 訂正請求について – 管理人
2009/04/15 (Wed) 17:23:22
「>審判長が職権審理するかしないかを問わず、審判請求人は訂正要件違反の「申し立て」をすることができるか?
被請求人から訂正請求書を受理したときは、その副本が請求人に送達されます(特134条の2第2項)。
この際、弁駁書の提出機会が与えられますので、請求人は訂正要件違反の反論をすることができます。
>管理人さんは、訂正請求の内容は、無効審判の審決確定前に確定するという意見をお持ちなのでしょうか?
そういう意味ではありません。
訂正請求による訂正は、訂正を認容する結論を含む審決が確定したときに効力を生じます。
しかし、訂正請求により生じた新たな無効理由(正確には、訂正が確定することにより生じる無効理由)を主張するために、別途の無効審判が請求されるのでは、特許権者にとって過大な負担となります。
また、訂正請求に応じて新たな無効理由を追加するのは合理的な補正です。
そのため、所定の要件の下で、新たな理由を追加するような請求の理由の要旨変更補正を認めているのです(特131条の2第2項1号)。
※詳細は平成15年の改正本を読んでみて下さい。」
Re: 訂正請求について – 倭猿
2009/04/15 (Wed) 18:04:45
「管理人様
ありがとうございます。
>>被請求人から訂正請求書を受理したときは、その副本が請求人に送達されます(特134条の2第2項)。
>>この際、弁駁書の提出機会が与えられますので、請求人は訂正要件違反の反論をすることができます。
これは知らなかったです。助かりました。
請求人の訂正要件違反の主張の根拠条文は、134条の2第3項じゃなくて、施規47条の3なんですね。
>>また、訂正請求に応じて新たな無効理由を追加するのは合理的な補正です。
>>そのため、所定の要件の下で、新たな理由を追加するような請求の理由の要旨変更補正を認めているのです(特131条の2第2項1号)。
この質問をしてよかったと思いました。
訂正=合理的理由 の改正本の説明と、訂正請求の確定時期の関係が、自分の頭の中ですっきりしました。
また、疑問点が出てきましたら、何卒よろしくお願いいたします。」
↓記事が面白かったら押して下さい↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁理士へ 
 ↓弁理士試験ならLECオンライン↓

弁理士サイトはこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました