弁理士試験-関連意匠の先後判断

関連意匠の先後判断
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パリ条約の出願日遡及せずについて – ぽにょ
2011/01/04 (Tue) 09:45:33
明けましておめでとうございます。パリ優先権と関連意匠についてご質問します。例えば甲が1/1にアメリカに意匠Aを出願し、パリ優先権により3/1に日本に意匠Aを出願したとします。この場合、日本に出願した意匠Aは1/1に出願されたことになるため、2/1に甲が日本にAに類似する意匠Bを出願した場合、意匠Bに「本意匠の欄」の追加補正で関連意匠として意匠Bも取得されるとレジメ等に記載されています。つまり本意匠の出願日が関連意匠の出願日より日前になる身体と思います。しかしながら、パリ条約ではよく4条の2(5)より「出願日の遡及はない」とありますが、この関係がよく分からないので教えて下さい。新規性等の判断は先の出願で行うが、現実の出願日の遡及がないとのことなのでしょうか。
Re: パリ条約の出願日遡及せずについて – 管理人
2011/01/12 (Wed) 12:31:13
遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
今年も弊サイトをよろしくお願い致します。
さて、意10条1項に規定されているように、本意匠と関連意匠との出願日を比較する場合の基準は、パリ優先の場合は第一国出願日となります。
ご質問の場合、出願Aの第一国出願日は1/1であり、出願Bの出願日は、その後の2/1となります。
この点は単なる用語の解釈の話であり、出願日が遡及しているわけではありません。
例えば、この場合の出願Aの優先権証明書は、出願日から三月以内に特許庁長官に提出しなければなりません。
パリ優先を主張したとしても出願日は遡及しませんので、第一国出願日から三月以内となることはありません。
なお、新規性等の場合は、判断時点が遡るだけです。
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コメント

  1. 楽しく拝見しています。 より:

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    ぽにょさん、
    先ず、貴殿の疑問については、あれこれ悩まなくても、意匠法第10条第1項のかっこ書だけ明確に片がつくのではないでしょうか。
    このかっこ書により、同項で「意匠登録出願の日」といえば本意匠についても関連意匠についても、パリ優先権主張を伴えば第一国出願の日として取り扱われることになります。それゆえ、設例では出願A、B各々の「意匠登録出願の日」は、意10条1項では、それぞれ1/1, 2/1として取り扱われることになり、その結果、A(1/1)が本意匠、B(2/1)が関連意匠となるのです。
    なお、こちら↓は表現が不正確です。論文で書くと理解を疑われます。
    >>この場合、日本に出願した意匠Aは1/1に出願されたことになるため、
    パリ優の効果はあくまでパリ4条B。「優先期間中の(自他の)行為によっては不利な取り扱いを受けない」と「第三者のいかなる権能も生じない」の2つです。出願日が遡及しないことの根拠はここに求めることができます。
    ちなみに、これは青本に書いてあるわけでもなくあくまで私見ですが、意10条1項でかっこ書が設けられているのは、パリ4条Bの規定からは、意10条1項の規定の適用にあたり第一国出願を基準にすべきであることが当然には導き出せず、解釈が分かれて面倒になることを未然に防止するため、という理由もあったのではないかと勝手に思っています。

  2. ドクガク より:

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    コメントを頂きありがとうございます。
    今後とも、弊ブログをご覧いただければ幸いです。

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