弁理士試験-譲渡後の職務発明に係る実施権

譲渡後の職務発明に係る実施権
本ブログは独学の弁理士講座の別室です。
なお、本日の本室更新は「商標法4条1項18号」です。
無題 – pat
2009/10/15 (Thu) 10:14:31
お世話になります。
A社の従業者である甲のした職務発明について、発明者甲、出願人A社で特許を受けた。その後、A社がB社にこの特許を譲渡した場合、A社はこの特許権について通常実施権を有するのでしょうか。
Re: 無題 – 管理人
2009/10/15 (Thu) 12:42:43
根拠は忘れたのですが、A社は通常実施権を有しないと解されるはずです。
理由は、A社が甲から職務発明について特許を受ける権利を譲り受けた時点で、A社は特許を受ける権利と実施する権利の双方を取得しており、A社の実施権は混同により消滅するからです。
Re: 無題 – pat
2009/10/15 (Thu) 14:22:49
ありがとうございます。特許権を得たのだから、通常実施権はその時点で消滅するということですね。
では、同様に発明者甲、出願人A社で出願した後、その出願をB社に譲渡(出願人B社)、その後特許を受けた場合はどうでしょうか。
35条では「特許を受ける権利を承継した者が・・・」とあるので、この場合はA社に通常実施権があるような気がするのですが。
同じようなことを聞いて申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。
Re: 無題 – 管理人
2009/10/16 (Fri) 12:18:00
結論をいえば、特許を受ける権利の譲り受けにより、(仮)通常実施権が混同消滅すると思います。
よって、A社に通常実施権は発生しません。
理屈付けとしては、特許権を得たことにより、通常実施権が消滅することの類推適用でしょうか?
なお、このように解釈しないと、出願前の特許を受ける権利の譲渡に多大な支障をきたしてしまいます。
すなわち、特許を受ける権利を譲り受ける者(B社)にとって法定通常実施権の存在は、独占実施の妨げとなる傷といえます。
そのため、混同消滅しないと解すると、常に使用者(A社)が職務発明に係る通常実施権(を受ける権利)を有する状態となり、その後は傷のある権利譲渡しかできなくなってしまうからです。
なお、特35条後段の規定は、使用者が特許を受ける権利を譲り受けなかったときの規定ですので、そもそも前提が違います。
ご質問のケースでは、B社が出願及び権利化した場合ですね。
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