弁理士試験-意匠の移転請求について

意匠の移転請求について
意匠の移転請求について – pat
2013/04/16 (Tue) 22:12:31
意匠の移転請求について2つ質問があります。
(質問1)
26条の2で、一定の条件を満たせば意匠権の移転を請求できることになりました。
最初の質問は、放棄等により消滅した意匠(過去に存在した期間がある)も移転請求できるのか?
これについては、このように消滅した意匠に対して無効審判も請求できることから移転請求は可能であると考えましたが、この考えでよいでしょうか?
(質問2)
甲が意匠aを創作したところ、乙がこれを盗んで意匠aを出願してしまいました(冒認出願)。
その後乙は意匠Aから類似する意匠bを創作して関連意匠bを出願をし、2つの出願は共に登録されました(意匠aに係るものが意匠権A、意匠bに係るものが意匠権B)。
その後乙は、意匠権Bを放棄しました。
以上の状況は26条の2第2項の状況になると思います。
条文から、甲は、意匠権Aを移転請求することができません。
しかし意匠bは意匠aに類似することから、意匠aを改良した創作物だと考えられます。
とすれば、意匠bは甲と乙との共同創作物になるのではないでしょうか。
共同創作物であれば、48条1号の準特38条を理由に意匠権Bを無効にすることができます。
無効になれば、意匠権Bは最初からなかったものとなり、分離移転とはならず、甲は意匠権Aの移転請求ができると考えたのですが、この考えは間違っているでしょうか。
共同創作物であるかどうかの判定が難しいと思いますが、共同創作物と認定されれば、26条の2第2項に「できない」と書かれていることができてしまうので、どうも釈然としません。
Re: 意匠の移転請求について – 管理人
2013/04/18 (Thu) 12:32:36
質問1は、放棄等により消滅した意匠は移転請求できないと思います。
移転は登録が効力発生要件であるところ、消滅したものは移転できないからです。
なお、仮に消滅しても移転できるとすると、意26条の2第2項の趣旨である「消滅した意匠権があるような場合、残りの全ての意匠権について移転請求が認められ、真の権利者が登録時に遡って意匠権者となれば、放棄された意匠権が過去に存在していたときの意匠権者は冒認者等のままであるため、放棄されるまでの期間は二以上の者に重複した意匠権が存在していたこととなる」の防止をする必要がありません。
よって、この観点からも移転できないと思われます。
質問2は、共同創作物になる場合もあり得ます。
そうだと仮定すると、意匠権Bを無効にすれば、甲は意匠権Aの移転請求ができます。
これは条文通りですので、何の不思議もないです。
つまり、「放棄されるまでの期間」も存在しなかったことになるので、趣旨には反しません。
Re: 意匠の移転請求について – pat
2013/04/18 (Thu) 23:46:15
管理人様、ありがとうございました。
質問2に関しては納得しました。
質問1ですが「移転は登録が効力発生要件」とは、条文上どこから読めばいいのでしょうか。
また、特許の移転請求の場合も消滅したものは移転できないということでしょうか。
Re: 意匠の移転請求について – 管理人
2013/04/19 (Fri) 12:02:52
意36条で準用する特98条1項1号です。
特許も同じだと思います。
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