弁理士試験-仮通常実施権の消滅について

仮通常実施権の消滅について
仮通常実施権の消滅について – Let’s Go!!
2018/03/20 (Tue) 00:10:57
特34条の2第6項に関しての青本説明では、「仮専用実施権が特許を受ける権利を有するものと混同した場合、当然に消滅するので明文規定していない」とあります。
そうすると、特34条の3第11項は、「仮専用実施権が消滅した場合に、仮通常実施権も消滅する」と規定していますが、混同の場合の消滅で、仮通常実施権が消滅してしまうのは、仮通者にとって、放棄の場合に承諾が必要(特34条の2第7項)なのと比べて、酷く不合理と思います。ここは、どう理解すればよいでしょうか?
よろしくお願いします。
Re: 仮通常実施権の消滅について – 管理人
2018/03/22 (Thu) 15:02:20
特許法に定めがないので、民法179条2項を参照しますと、同項には「2.所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。」と規定されています。
そこで、同条1項ただし書きを準用して、仮専用実施権について仮通常実施権が許諾されている場合は、仮専用実施権が混同消滅しないのではないかと思います。
なお、債権である仮通常実施権の許諾をもって、仮専用実施権が第三者の権利の目的になっているといえるかどうかは分かりません。
Re: 仮通常実施権の消滅について – Let’s Go!!
2018/03/22 (Thu) 15:39:21
回答ありがとうございます。
中段の「仮専用実施権」は、「仮通常実施権」でしょうか(以降で、「仮専」「仮通」と略します)
そうだとして、民179条2項では、「他の権利」とあるので、ご説のとおり「仮通は消えない」が正解と思います。
思いますところ、特34条の5を根拠に
「「後から上位の権利を取得したものに仮通は対抗できる」とのことですので、実質的に、混同で、上位権利者が取得した場合、仮通は消えない」が、正解のように考えます。
99条の通常実施権の当然対抗制度は、登録した通常実施権と同様の効果で、強い権利と考えますが、仮通にも、34条の5で、それを認めて保護している法制であることからも「消滅しない」結論が正解だし、裁判の主張でも争える論理だと思うのですが、この件、徹底させるとすると、後は、特許庁への問合せ位でしょうか?
Re: 仮通常実施権の消滅について – 管理人
2018/03/23 (Fri) 12:07:33
中段の「仮専用実施権」で正しいです。
つまり、仮専用実施権が混同消滅しない結果、仮通常実施権も消滅しないと解釈できるということです。
確認するならば特許庁問い合わせで正しいですが、民法の話になると正解が得られるかどうか?
Re: 仮通常実施権の消滅について – Let’s Go!!
2018/03/23 (Fri) 12:24:45
回答ありがとうございました。民179条1項但し書は、要は、「どっちかが、こぶ付きならば消滅しない」ということですから、「混同によっては消滅しない」理解しました。
しかし、短答試験では、34条の3第11項の問題として、「常に消滅する」に「Yes」回答が必要の点、注意が必要と理解しました(H25-15-4)。
LECの解説は、11項に「「消滅する」に例外記載だないから」としています。
Re: 仮通常実施権の消滅について – 管理人
2018/03/23 (Fri) 12:28:17
仮専用実施権が消滅したら仮通常実施権は「常に」消滅するというのは正しいです。
民179条1項ただし書きを準用すると、仮専用実施権が存続するので、仮専用実施権が消滅せず且つ仮通常実施権も消滅しません。
Re: 仮通常実施権の消滅について – Let’s Go!!
2018/03/23 (Fri) 12:31:37
なるほど、「混同消滅しないのだから、消滅しない」意味、ロジックわかりました。
解釈間違えてました。ありがとうございました。
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