冒認出願の先願の地位と拒絶理由
冒認出願の先願の地位と拒絶理由 – どしろうと
2014/09/02 (Tue) 20:16:00
どしろうとで申し訳ありませんが、冒認出願には先願の地位が認められますよね。にもかかわらず、(特)49条6号で拒絶理由にあがっています。この関係性が理解できません。先願の地位があるのに拒絶されると先願の地位を失ってしまいますよね。この関係性はどのように理解すればよいのでしょうか?
Re: 冒認出願の先願の地位と拒絶理由 – 口述受験生
2014/09/02 (Tue) 22:14:52
平成23年改正前は、冒認出願に先願の地位は認められていませんでした。
ご質問の答えは、弁理士試験対策の必須アイテム「青本」p.142の
「3 <冒認出願の先願の地位>」
の欄に記載されています。
青本のpdfファイルは、以下のウェブページから入手可能です。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/hourei/kakokai/cikujyoukaisetu.htm
平成23年改正解説書p.41-42を読むと、さらに理解が深まるかもしれません。
解説書のpdfファイルは、以下のウェブページから入手可能です。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/hourei/kakokai/tokkyo_kaisei23_63.htm
Re: 冒認出願の先願の地位と拒絶理由 – 管理人
2014/09/03 (Wed) 14:55:54
口述受験生さん
回答へのご協力ありがとうございます。
さて、冒認出願は拒絶されるのだから、先願の地位を失うわけで、先願の地位が認められても意味がないとおっしゃりたいのかと思います。
まず、冒認出願に「先願の地位」を認めた理由は、「真の権利者が冒認出願の公開等から六月経過するまでの間に、自らも同一の発明について出願することにより、同一の発明について重複して特許権を取得すること」を防止するためですね。
ですが、実際には、登録されてから冒認出願に気づくこともあるわけで(冒認出願が必ず拒絶されるとは限らない)、冒認出願に先願の地位を認める意味はあるのです。
Re: 冒認出願の先願の地位と拒絶理由 – どしろうと
2014/09/03 (Wed) 20:21:17
口述受験生さん、管理人さん、解説ありがとうございます。
管理人さんのおっしゃる『冒認出願は拒絶されるのだから、先願の地位を失うわけで、先願の地位が認められても意味がない』がまさに理解できないことです。青本と改正法解説書を読みましたが、この関係性には記載がありませんでした。冒認出願に先願の地位を認めるのならば、(特)49条6号はなぜ規定されているのでしょうか?
Re: 冒認出願の先願の地位と拒絶理由 – 白服 URL
2014/09/03 (Wed) 21:21:53
こんにちは、白服です。(^o^)
どしろうとさんの考え方は、以下の二つの点で筋悪だと思います。
1.「先願の地位があるのに拒絶されると先願の地位を失ってしまいますよね。」という点は、思考が逆です。「先願の地位」とは、39条5項に該当しないことをいいます。従って、49条7号を含めた拒絶理由を乗り越えて先願の地位を有するに至った出願は、拒絶されません。
2.冒認出願に先願の地位が認められるということを先に考えると、話が見えにくくなります。原則は、他人の発明を盗んでした出願は、拒絶されます。こうした出願が登録になってしまった場合の調整として冒認出願にも先願の地位を認めるとしたのが平成23年改正です。
いずれにしても、物事の順序を考えましょう。(^o^)
Re: 冒認出願の先願の地位と拒絶理由 – 管理人
2014/09/04 (Thu) 12:28:57
白服さん
回答へのご協力ありがとうございます。
さて、「冒認出願に先願の地位を認めるのならば、(特)49条6号はなぜ規定されているのでしょうか?」ですが、逆に考えましょう。
つまり、「冒認出願に先願の地位を認めて、(特)49条6号の規定がなければどうなるのか?」
A社が冒認出願Aをした後に、真正な権利者であるB社が出願Bをしたとします。
ここで、B社に対して出願Aを理由に拒絶理由が通知されると、B社としては、冒認出願Aの登録を待って、移転請求をしなければなりません。
これでは困るので、そもそも冒認出願に特許を認めないというのが前提です。
ただ、冒認出願Aが先に登録されてしまうこともあるので、その場合には真正な権利者であるB社には、移転請求をしてもらって解決するために、冒認出願に先願の地位を認めているわけです。
Re: 冒認出願の先願の地位と拒絶理由 – どしろうと
2014/09/04 (Thu) 21:14:57
白服さん、管理人さん、解説ありがとうございました。納得できました。
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