職務発明取扱規程例第11条 (対価の支払時期)

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以下に、職務発明取扱規程例を掲載するが、これは一例に過ぎず、特許法第35条に適合すること、及び現実の職務発明等を取り扱うために必要十分であることを保証するものではありません。実際に職務発明取扱規程を策定・改定するに際しては、弁理士等の専門家の見解を仰ぎ、企業毎に適した規程及び制度を策定して下さい。なお、本職務発明取扱規程例では、汎用性を高めるために細かい手続的規程は別途細則にて定めるという形式を採用しています。

第11条 (対価の支払時期)

 第10条第1項第一号に定める出願報償金は、特許出願等をした日から一年以内に一括で支払うものとする。

2 第10条第1項第二号に定める登録報償金は、特許権等の登録番号が通知された日から一年以内に一括で支払うものとする。

3 第10条第1項第三号に定める実績報償金は、発明等が会社の実績に顕著に貢献したと審査委員会によって決定された場合に、毎年度毎に一回、その年度内の実績に対する対価として一括で支払うものとする。

4 第10条第1項第四号に定める特別報奨金は、発明等が会社に特別に貢献したと審査委員会によって決定された場合に、支払いが決定された日から一年以内に一括で支払うものとする。

解説

・職務発明等の対価請求権は、発生から10年で消滅すると解される(民法167条1項)。この消滅時効との関係で、支払時期についても明記することが重要となる。なお、原則的な起算点は、対価請求権が発生した時点、すなわち特許等を受ける権利の取得時である。ただし、勤務規則等で対価の支払い時期の定めがある場合は、その定められた支払時期が来るまで対価を請求することができないため、当該支払時期が消滅時効の起算点となる(平成13(受)第1256号)。

・支払い先(申し出銀行口座等)や支払い日(給与支払いと同時等)を定めることも考えられる。

・第1項の出願報償金は、出願番号が通知された出願日を基準に支払うことが、管理及び支払いに便利であり、第2項の登録報奨金については、登録番号が通知された後に支払うことが、管理及び支払いに便利である。実際の運用では、毎年1回又は2回に分けて、算定期間の報償金を合計して支払う運用が便利であろう。なお、支払時期について「年内」や「年度内」と定める場合は、支払時期の間近に番号が通知された場合についても配慮が必要となる。

・第3項の実績報奨金については、①特許権の設定登録時点と②当該発明の実施等が開始された時点のいずれか遅い時点であると定められていた(いずれか遅い日から消滅時効が進行する)と解される(平成27年(ワ)第11651号)。ただし、当該日の後に実施報奨金が支払われた場合、消滅時効は中断し、支払い日から再び消滅時効が進行を開始する。もしくは、会社が発明を実施しその効果を判定できるような一定期間(個別事案で判断される)の経過をもっての支払時期が到来する(当該支払時期から消滅時効が進行する)と定められていたと解される(平成20年(ネ)第10039号)。

・第3項の実績報償金については、各年毎の消滅時効を主張できる可能性がある(平成16(ワ)23041号)。そのため、年度毎の実績に対する報償金であることを明確にしている。

・特許権等が無効等の理由で消滅した場合、それ以降は実績がなくなるため報償対象から外れると考えられる。それを明確にするために、権利消滅後は実績報償を支払わない旨を定めることもできる。なお、無効消滅した場合であっても、消滅するまでの間は独占的に実施することによる利益を受けていたものと考えられるため、従業者等に支払い済みの報償金の返還を求めることはできない。

例文

仲裁センター例:第11条(対価の支払時期)
 前条に定める対価の内、出願時及び登録時に支払うべき対価については出願後及び登録後速やかに支払うものとし、利益発生時に支払うべき対価については、算定基準細則に従い利益発生の確認後速やかに支払うものとする。ノウハウとして秘匿したときの対価の支払いについても同様とする。

発明協会例:第10条
 会社は、会社が職務発明に基づく特許権の実施または処分により利益(収入)を得たときは、当該特許権にかかわる発明をした発明者に対し、審査会の議を経て、別に定める補償金を支払うものとする。

特許庁例:第8条 (支払手続)
 前条に定める相当の利益は、出願時支払金については出願後速やかに支払うものとし、登録時支払金については登録後速やかに支払うものとする。

特許庁例:第8条 (支払手続)
 前条に定める相当の利益は、出願時支払金については出願後速やかに支払うものとし、登録時支払金については登録後速やかに支払うものとする。

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