R02年短答意匠問08

過去問の解説
意匠法 独学 チワワ

以下の内容はあくまで管理人の解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。もし、間違いに気付かれた方は、独学の弁理士講座掲示板、又は、メールにてご連絡下さい。

R02年短答意匠問08

甲は、蓋と本体との両方に特徴のある、「蓋」と「シャンプー容器本体」からなる「蓋つきシャンプー容器」の意匠イについて意匠登録出願をし、意匠イについて意匠登録を受けている。次のうち、誤っているものは、どれか。
ただし、1~5の内容はそれぞれ独立しており、相互に影響しないものとする。また、特に文中に示した場合を除き、いずれの場合も意匠権について、いかなる無効理由も有さず、通常実施権の設定の裁定を受けないものとし、また、専用実施権の設定は受けておらず、かつ、いかなる者も通常実施権を有していないものとする。

枝1

1 甲の意匠イの意匠登録出願後かつ登録前に、乙が、意匠イと同一の意匠の「蓋つきシャンプー容器」を業として製造した。この場合、甲は、乙に対して、意匠登録前の業としての製造について補償金の支払いを請求できることがある。

解答
✕ 国際意匠登録出願の出願人は、国際公表があった後に国際意匠登録出願に係る意匠を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後意匠権の設定の登録前に業としてその国際意匠登録出願に係る意匠を実施した者に対し、補償金の支払を請求できる(意60条の12)。そのため、補償金の支払いを請求できることはあるが、他の枝が明らかに正しいので、本枝が誤りとなる。

枝2

2 乙が、甲の意匠イの意匠登録後に、甲の許諾なく、意匠イと同一の意匠の「蓋つきシャンプー容器」に入ったシャンプーの試供品を無料で広く配布した。この場合、甲は、乙に対して、意匠権侵害に基づく差止を請求できることがある。

解答
◯ 試供品を無料で広く配布する行為は、個人的家庭的な実施ではないので、意匠権侵害に基づく差止を請求できる(意37条)。

枝3

3 乙は、甲の意匠イの意匠登録出願前に、意匠イと同一の「蓋つきシャンプー容器」の立体商標を、シャンプーを指定商品として商標登録出願をして商標登録を受けた。甲はその後に意匠イについて意匠登録を受けても、乙の許諾なく業として意匠イの「蓋つきシャンプー容器」にシャンプーを入れて販売することができない。

解答
◯ 意匠権者は、その意匠権のうち登録意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の商標権と抵触するときは、業としてその登録意匠の実施をすることができない(意26条1項)。なお、シャンプーを入れていなければ、指定商品が異なるので販売できる可能性がある。

枝4

4 乙が、甲の意匠イの意匠登録後、意匠イのうち「蓋」と同一の意匠の蓋Xを、甲の許諾なく製造した丙から国内で譲り受けて、業として輸出した。乙は、当該輸出時に、蓋Xが、意匠イの「シャンプー容器本体」に取り付けられる蓋であり、意匠イの視覚を通じた美感の創出に不可欠であること、蓋Xの意匠が意匠イのうち「蓋」と同一であること及び蓋Xが意匠イの「シャンプー容器本体」に用いられることを知っていた。この場合、甲は、乙の上記行為に対して、意匠権侵害に基づく差止請求をすることができない。

解答
◯ 業として、登録意匠に係る物品の製造にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為は、間接侵害(意38条1号)として差止の対象となる。しかし、仮に専用品であるとしても、輸出は間接侵害として規定されていないので、差止請求をすることができない。

枝5

5 乙が、甲の意匠イの意匠登録後、意匠イと同一の意匠のシャンプー容器を研究のために製造した場合、甲は、乙に対して、意匠権侵害に基づく差止請求をすることができない。

解答
◯ 意匠権の効力は、研究のためにする登録意匠の実施には、及ばないので(意36条で準用する特69条1項)、差止請求をすることができない。

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