R01年短答特実問09

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R01年短答特実問09

 特許権等について、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものの組合せは、どれか。
1 (イ)と(ロ)
2 (イ)と(ホ)
3 (ロ)と(ハ)
4 (ロ)と(ニ)
5 (ハ)と(ニ)

枝1

 (イ) 特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならないが、願書に添付した明細書の記載、図面及び要約書の記載を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする。

解答
 特許請求の範囲に記載された用語の意義は、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して解釈し(特70条2項)、要約書の記載は考慮しない。

枝2

 (ロ) 特許法上の規定によれば、第1年から第3年までの各年分の特許料の納付がなくても特許権の設定の登録がされる場合がある。

解答
 特許料の納付の免除若しくは猶予があったときも、特許権の設定の登録がされる(特66条2項)。

枝3

  (ハ) 甲が自己の特許権について、乙に対して専用実施権を設定し、その登録がされた後に、乙が甲の承諾を得て丙に対してその専用実施権について通常実施権を許諾した。この場合に、丙が、その通常実施権について質権を設定するためには、甲及び乙の承諾を得なければならない。

解答
 専用実施権についての通常実施権者は、特許権者及び専用実施権者の承諾を得た場合に限り、その通常実施権について質権を設定できる(特94条2項)。

枝4

  (ニ) 甲が自己の特許権について、乙に対して通常実施権を許諾した後、乙が甲の承諾を得て丙に対してその通常実施権について質権を設定した場合、丙がその質権を実行し、その通常実施権を丁に移転するためには、甲の承諾を得なければならない。

解答
 質権の実行により移転する場合は承諾を要しない。質権の設定の承諾に移転の承諾が包含されていると解されるからである。

枝5

 (ホ) 請求項1及び請求項2に係る特許権を有する者甲が、その特許権の全部の範囲について、乙に対して専用実施権を設定し、その登録がされている場合、甲は乙の承諾を得たとしても、請求項1に係る特許権のみを放棄することはできない。

解答
 放棄は請求項毎に出来る(特185条)。

解説

(ロ)と(ハ)が正しいので、3が正解

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