優先権と先願の関係について – 受験生A
2019/05/20 (Mon) 00:36:09
何時もお世話になっております。
基本的な事項と思うのですが、今一つ基本書にズバリ書いていなく、過去検索でヒットしなかったため質問させてください。
Y1(A/A)–X1(A/A)–Y2(A/A)–X2(A・A1/A・A1)-X2・Y2公開–>
のような順番で特許出願されたとします。
ここでXは甲、Yは乙の出願であり、
Y1:パリ同盟国への出願
X1:日本国への通常の出願
Y2:日本国へのパリ優先権の主張と伴う出願
X2:国内優先権主張出願
とします。
この際、パリ優先権が無効であった場合に、X1が41条3項により公開擬制されて29条の2の適用があるため、Y2の拒絶理由になるのは理解できます。
では、X2が41条2項によって、X1時に出願したと擬制され、39条1項の適用はないのでしょうか。
逆に、パリ優先権が有効に主張された場合、パリ4条Bの効果として、Y2がY1を出願したときに出願したと見なされて39条1項の適用はないのでしょうか。
なんらか、優先権の効果をめぐって議論があるらしいというのはなんとなく知っているものの、その議論と関係あるのでしょうか・・・?
お忙しいところ、すみませんよろしくお願いします。
Re: 優先権と先願の関係について – 管理人
2019/05/20 (Mon) 12:42:47
この事例だと問題にはならず、特39条1項の適用はあり得ます。
問題になるのは、X2(クレームA/明細書A及びA1)の時です(もしくは独立A+従属A1)。
クレームAにはY2出願後の発明であるA1が含まれるので、クレームAがX1時に出願したと擬制されない可能性があるというものですね。
しかし、特39条1項が適用されないとすると、パリ4条B(第三者のいかなる権利又は使用の権能をも生じさせない)に反するという話ですね(X2は国優なので正確にはパリ条約は関係ないですが)。
実際には、独立クレームAは優先権が認められて遡及し、従属クレームA1は現実の出願日として遡及しないという判断になると思います。
なお、ここで説明できるほど簡単な話ではないので、参考資料のURLだけ提示します。
http://www.tokugikon.jp/gikonshi/289/289kiko2.pdf
Re: 優先権と先願の関係について – 受験生A
2019/05/21 (Tue) 00:02:57
ご回答ありがとうございます。
まだ躓いているところがあるのですが、それが何処かよくわかっていないため、もう少し質問をさせてください。
冒頭の、この事例では(39項1項は)問題とならず、という部分なのですが、
Y1(A/A)–X1(A/A)–Y2(A/A)–X2(A・A1/A・A1)-X2・Y2公開–>
このケースで、仮にパリ優先権が無効であるケースを考えるとき、パリ優先権が主張できない結果、X1がY2の先願となり、X2が41条2項の適用の結果Aの部分について(国内)優先権があり39条1項の適用上先願となるため、X2がY2の先願と扱われると考えました(Aの部分について)。
そのため、先願の地位の確定と共に、Y2はX2を先願として拒絶理由がある。
と私は考えました。
逆にパリ優先権が有効であっても似た状況が生じ、
パリ4条Bの適用の結果Y2が不利な取扱いをされない=先願として扱う結果、Y2の出願は39条1項の適用上Y1の時にしたものと扱われY2がX2の先願となると考えました。
そのため、X2は39条1項の拒絶理由があることとなります。
上記の記載では優先権のある出願は39条1項の適用上出願日が遡及して扱われるため、蹴る側に回ることができると考えています。
しかし、おそらくそういう風には考えないという事だと思うのですが、そこの部分のところをご質問させてください。
よろしくお願いします。
Re: 優先権と先願の関係について – 管理人
2019/05/21 (Tue) 09:51:33
分かりにくかったようですが、「問題にならず」→「論点にならず」の意味です。
さて、ご質問の例だとX2が(Aの部分について)Y2の先願と扱われ、特39項1項の拒絶理由が生じます。
また、Y2がX2の先願と扱われ、特39項1項の拒絶理由が生じます。
Re: 優先権と先願の関係について – 受験生A
2019/05/21 (Tue) 17:28:37
こんなに早いご回答をいただきありがとうございます。
考え方自体は問題がなかったという事が分かり安心しました。
手元にあるこの問題での解説(T社)に29条の2だけ記載があり、39条の事は何も触れられていなかったためすごく不安になってしまいましたが、書いても問題が無い上拒絶理由にもなるという事が分かり安心できました。
また勉強を続けていく中で解決できない疑問が出てきたときにはよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。
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