シフト補正の質問
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無題 – いかちん
2009/07/23 (Thu) 01:25:19
請求項1:化合物Aで新規性がなく、請求項2:化合物Aの用途発明が進歩性を否定されたとき、Aを下位概念A’に補正して請求項2については意見書で反論とした場合、当該補正はシフト補正になるのでしょうか?
Re: 無題 – 管理人
2009/07/23 (Thu) 12:07:15
いわゆるシフト補正は、補正の前後で発明の単一性を満たすか否かで判断されます。
ご質問の場合について、「化合物Aの用途発明」と、「化合物Aの下位概念A’」との間に単一性がないと仮定しますと、その補正はシフト補正に該当します。
ただし、実務的には審査される可能性もあります。
例えば、同じ引例で拒絶できる場合は、再度の拒絶理由を出さずに拒絶査定となるでしょう。
Re: 無題 – いかちん
2009/07/23 (Thu) 13:06:44
請求項1:化合物Aで新規性が否定されているので、特別な技術的特徴を含んでいないと考えられるのですが、補正後のA’が特別な技術的特徴を含んでいれば、当該補正はシフト補正にならないとかんがえてよいのでしょうか?
Re: 無題 – 管理人
2009/07/24 (Fri) 12:41:37
そうではありません。
いわゆるシフト補正については、特許性(新規性及び進歩性)の判断が示されたすべての発明と、補正後のすべての発明とが、同一の又は対応する特別な技術的特徴を有していることが必要になります。
そのため、補正後のA’が特別な技術的特徴を含んでいても、補正前のいずれかの発明との間で単一性を満たさなければ、シフト補正に該当します。
なお、補正前のすべての発明が特別な技術的特徴を有しない場合(新規性不備)には、補正後の発明との間で、同一の又は対応する特別な技術的特徴がありません。
しかし、このような場合であっても出願人等の便宜を考慮して例外的に、審査対象となる場合があります(詳細は審査基準をご覧下さい)。
(http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/tjkijun_iii.pdf)
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コメント
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シフト補正の実務はまだあまり始まっていないようですが、
本当に上記のような単純な減縮補正でさえ
禁止されるのでしょうか?
EPやUSでは禁止されていない補正であるだけに、
国際調和の点からも、審査基準どおりの実務は行われない
ことを期待しています。
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私もまだシフト補正の拒絶理由はもらっていません。
それに、審査官の裁量の幅がかなりあると思います。
そのため、とりあえずは、杓子定規に当てはめるのではなく、従来どおりの対応で良いのではないでしょうか?
個人的な基準としては、再調査が必要か否かで見極めています。
物質発明をその製造方法の発明に変更するような補正でなければ、大丈夫だと思っていますが、どうなんでしょう?