弁理士試験-通常実施権の移転について

通常実施権の移転について
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通常実施権の移転について – pat
2012/02/15 (Wed) 22:27:35
改正本の中で、通常実施権は指名債権に該当するので民法467条等に従うとあります。
よって通常実施権の移転は「特許権者に対する対抗要件は譲渡人から特許権者への通知又は特許権者の承諾」
「第三者に対する対抗要件は「譲渡人から特許権者に対する確定日付ある通知又は特許権者の確定日付ある承諾」と解されるとあります。
移転について通常実施権者は特許権者に通知さえすれば、特許権者の承諾なしに誰にでも移転できてしまうのでしょうか?
なにか非常に不合理な気がするのですが、この解釈で問題ありませんか?
Re: 通常実施権の移転について – gas
2012/02/16 (Thu) 16:19:12
特94条1項に規定から、許諾による通常実施権者は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合、一般承継の場合にのみ移転できますので、実施の事業とともにでなくかつ一般承継で無い場合は、特許権者の承諾は必要であると思います。
改正本が言いたいことは、第3者に対する対抗要件は、民法467条の規定によるといいたのではないでしょうか。
Re: 通常実施権の移転について – pat
2012/02/17 (Fri) 01:01:26
gasさんありがとうございます。
すると、実施の事業とともに移転する場合や一般承継の場合、特許権者へ通知しなければ対抗要件を具備しない、と読めばいいのかな?
Re: 通常実施権の移転について – ハレオ
2012/02/18 (Sat) 21:20:11
これを読んでいたら私も混乱してきたので以下に纏めてみました。
たぶん、概ねあっていると思います。
<通常実施権を移転できる場合>
①特許権者(又は特許権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合
②実施の事業とともにする場合
③相続その他の一般承継の場合
①の対抗問題の例
通常実施権者Aが特許権者の承諾を得て、BとCに通常実施権を二重譲渡。
この場合、譲渡自体は有効。しかし、BとCは対抗関係となり、特許権者に対しては権利行使できない状態となる。BとCのどちらに権利が帰属するかは、民法467条がらみの判例による。
②の対抗問題の例
通常実施権者Aが、実施する事業を通常実施権と共に、BとCに二重譲渡。
この場合も①と同じ。
③の対抗問題の例
通常実施権者Aが亡くなり、その子であるBとCが通常実施権を共同相続。しかし、Bが単独相続したと見せかけて、Dに通常実施権を特許権者の承諾を得て譲渡。
この場合、Bは相続人欠格であり、無権利者であるから、無権利者からの譲渡は無効。Cは何らの対抗要件なくしてDに対抗可。権利はCに単独承継されたことになる。
尚、私が知る限り③のような相続・合併等の包括承継については対抗要件を一切考慮する必要がないです。前主の資格や地位等もすべて後主に移転するとイメージすれば分かり易いかと思います。
それから、①の二重譲渡の対抗関係については、独占的通常実施権のような場合を除いて、レアなケースだと思います。なぜなら、通常実施権の設定は制限されていないので、1つの通常実施権の移転の帰属を奪い合う必要性は乏しく、二重譲渡された譲受人の両者は、新たに通常実施権の設定について交渉すればよいからです。②については、事業の譲渡が伴っているのでそうはいかないと思いますが…。
Re: 通常実施権の移転について – pat
2012/02/20 (Mon) 23:38:04
ハレオさんありがとうございます。
よくわかりました。
そもそも移転と対抗要件が私の頭の中で混同していたのがいけなかったのですが、改めて整理できました。
Re: 通常実施権の移転について – 管理人
2012/02/21 (Tue) 12:30:54
gasさん、ハレオさん
回答への御協力ありがとうございます。
さて、若干補足させて頂きます。
まず、新99条により、特許権等が移転した場合、通常実施権者は、特許権等の譲受人に当然対抗する(実施を継続する)ことができます。
次に、許諾による通常実施権が移転するのは、①実施の事業とともにする場合、②特許権者等の承諾を得た場合、及び③一般承継の場合に限定されます(特94乗1項)。
この内、①については、譲渡人から特許権者(債務者)への通知が必要であると思われます。
特許権者からしてみれば、移転の事実を確認することができないからです。
一方、③については、譲渡人から特許権者(債務者)への通知は不要であると思われます。
例えば、相続の場合を考えると、譲渡人は死亡しており通知できないからです。
なお、間違っているかもしれませんので、間違いに気付かれた方は御指摘くださるとありがたいです。
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