弁理士試験-放棄による先願権の消滅

放棄による先願権の消滅
本ブログは独学の弁理士講座の別室です。
なお、本日の本室更新は「商標法10条1項」です。
8条3項 – ぽにょ
2009/11/24 (Tue) 09:30:51
いつもお世話になっております。
問題で、ある商標「α」があり指定商品「A,B」となっていた場合、4条1項11号の先願先登録により拒査定(原因はαと指定商品Aが同一類似)となった。それに対して拒絶査定不服審判を請求し、拒絶審決となってしまったが、もう補正できないので指定商品「A」の放棄を行った。。8条3項の条文上、放棄による遡及消滅を認め、先願の地位もなくなるため、αとAの再出願できるか?ということに対して、回答は「再出願できない。」とありました。これは、8条3項の先願の地位が喪失するのはあくまでも競願の出願があった場合で4条1項11号による拒絶査定の場合に対する放棄に対しては先願は喪失しないと考えて良いのでしょうか。
Re: 8条3項 – 管理人
2009/11/24 (Tue) 12:21:07
ご質問の趣旨とは違うのかもしれませんが、商標αと商品Aとで再度出願することはできるが、先登録商標があるので、再度拒絶されるということで良いでしょうか?
なお、4条1項11号による拒絶査定後に商標「α」に係る出願を放棄しても、その先願権は条文通りに喪失します。
ところで、出願に係る指定商品又は指定役務の一部放棄は、現在の運用では認められていないと記憶しております。
ご質問の一部に誤記がありませんか?
放棄と先願の地位の喪失 – ぽにょ
2009/12/03 (Thu) 16:30:55
以前ご質問したぽにょですが、この件に関しまして以下のような問題をみつけました。回答の考えでいいのでしょうか。
問 甲は商標イについて商品a、商品bを指定商品とする出願Xを行った。しかし、Xについて拒絶査定がなされた。拒絶査定の理由はaが商標法4条1項11号違反に該当することであった。そして甲は拒絶査定不服審判請求したが、請求棄却審決がなされた。審決取消訴訟を提起した甲が訴訟提起後にaを放棄した場合、bについて権利化を図ることができるかを説明せよ。
回答 指定商品の一部であるaを放棄した場合、aについての先願の地位を消失して(8条3項)、拒絶理由は解消するとも考えられる。しかし、本規定は他の出願と競合した場合に先願の地位を失わせるものであり、自己の出願の拒絶理由を解消するための規定ではない。よって放棄の効果に遡及効はないため、原審決に違法性は存在しない。
Re: 8条3項 – 管理人
2009/12/04 (Fri) 11:56:25
題意より、指定商品の一部放棄が合法的になされたのは明らかです。
そして、放棄の効果に遡及効はないため、本回答は正しいと言わざるをえません。
しかし、先日述べた通り、現在の運用では一部放棄が認められていないと記憶しております。
恐れ入りますが、問題の作成(公開)日をご確認いただけますでしょうか?
Re: 8条3項 – ペンキ
2009/12/07 (Mon) 05:13:12
>問 甲は商標イについて商品a、商品bを指定商品とする出願Xを行った。しかし、Xについて拒絶査定がなされた。拒絶査定の理由はaが商標法4条1項11号違反に該当することであった。そして甲は拒絶査定不服審判請求したが、請求棄却審決がなされた。審決取消訴訟を提起した甲が訴訟提起後にaを放棄した場合、bについて権利化を図ることができるかを説明せよ。
回答 指定商品の一部であるaを放棄した場合、aについての先願の地位を消失して(8条3項)、拒絶理由は解消するとも考えられる。しかし、本規定は他の出願と競合した場合に先願の地位を失わせるものであり、自己の出願の拒絶理由を解消するための規定ではない。よって放棄の効果に遡及効はないため、原審決に違法性は存在しない。
問題の事案から推察しますと、昭和59年10月23日、最高裁第三小法廷判決「The Union」事件の判例を題材にしたものと考えます。この判例は、現在の実務においても大きな影響と、一定の法的拘束力を与えています。なお、この判旨については、実益性とムダな手続を省く観点から大きな批判が学説・実務において投げかけられています。
Re: 8条3項 – 管理人
2009/12/07 (Mon) 12:21:42
ペンキさん
またまたありがとうございます。
なお、「The Union」事件とは、「昭和56年(行ツ)99号」のことでしょう。(http://shohyo.hanrei.jp/hanrei/tm/5704.html)
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