弁理士試験-意26条2項について

意26条2項について
意匠法26条2項 – ど素人
2013/04/08 (Mon) 00:40:29
管理人様、回答者の皆様、先ほどは有難うございました。
もう一点、質問がありますので協力頂けると助かります。
意匠法26条2項に規定される「意匠権との抵触」について伺います。
青本19版p.1128によれば「意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の意匠権と抵触するとき」とは、二つの登録意匠の類似範囲が重なり合う場合、出願が後である意匠権者はその重複する部分について実施をすることができない旨の趣旨であると記されています。
以下のような事例は上述の「抵触」に該当すると考えてしまうのですがどうでしょうか?
(事例)
後願の意匠権の類似範囲に先願の意匠権の同一範囲が含まれる場合(このとき後願の同一範囲は先願の同一、類似範囲には一切含まれていない)場合。
青本の記載を読んでいる限りは先願、後願の双方の類似範囲のみが重なるケースしか想定していない気がするのですが。。。
以上につきまして、よろしくお願い致します。
(補足)
白服様、ご回答頂きありがとうございます。
仰るとおり、後願の登録意匠の類似範囲が先願の登録意匠の類似範囲に比べて広い場合に関して悩んでいます。
具体的な事例は想定できませんでした(汗)。。。
白服様の仰る「不公平」というのは、後願そのものは無効理由には該当しないが、後願の類似範囲の実施の仕方次第では先願の同一範囲と完全に重複する同じ大きさの意匠を実施できてしまうことが不公平になるという意味でしょうか?
弁理士試験では26条2項の抵触については青本の記載どおり、先願、後願の類似範囲同士が重複する場合のみを想定すればよいということでしょうか?
お手数ですがよろしくお願いいたします。
Re: 意匠法26条2項 – 白服 URL
2013/04/08 (Mon) 01:08:01
そのような事例は発生しないと考えてよいと思います。
仮に、そのような事例が発生するとしたら、後願の登録意匠の類似範囲が、先願の登録意匠の類似範囲に比べて広い場合です。
しかしながら、物品や形態が同一または類似の意匠について類否を考えるとき、類似範囲の広さにそんなに大きな差があるとは考えにくいものです。
何かしらの具体例を考えてみてください。もしそのような事例があったとすると、両意匠の取扱いについて、何かしらの不公平感を感じるはずです。(^_^;)
Re: 意匠法26条2項 – 管理人
2013/04/08 (Mon) 12:00:44
白服さん
回答への御協力ありがとうございます。
さて、ご質問ですが、想定されている事例は、先願と後願とが非類似であるが、先願が後願の類似範囲に含まれるということですね。
ずばり、そんな事例は条文上は発生しません(過誤登録の場合ならばあり得ますが、短答試験では原則考慮しない)。
つまり、先願意匠イが、後願意匠イ’の類似範囲に属することを言い換えると、意匠イが意匠イ’に類似するということになります。
さらに言い換えると、後願意匠イ’は先願意匠イに類似することになります。
よって、意9条1項により後願は意匠登録を受けられず、そもそも想定事例が発生しません。
Re: 意匠法26条2項 – 白服 URL
2013/04/09 (Tue) 00:05:47
ど素人さん、「(補足)」を付け加えたのですね。付け加える書き込みは、見落とされやすいですよ。(^_^;)
さて、ご質問の内容ですが、結局、
 1.AはBに類似する、かつ、BはAに類似する。
 2.AはBに類似しない、かつ、BはAに類似しない。
 3.AはBに類似する、かつ、BはAに類似しない。
上記のうち、「3.」はありえないということです。いかにも「不公平」ですよね。(^_^;)
類似範囲の広さは、主観でいかようにも捉えることができますので、もし「3.」がありえたとすると、Bが有利になるように類似範囲を「不公平」に考えているということです。
類似範囲の考察には、ベン図のような円を描くことがあると思いますが、この円は、いずれも同じ大きさの円を使いましょう。
また、青本の解釈は、それで正しいです。
(なお、余談ですが、26条2項の「抵触」の規定の存在からわかるように、後願の審査では、後願意匠の類似範囲が先願意匠の類似範囲と重複するか否かは判断されません。26条2項は、そのような9条1項の、権利化後の調整規定と言えます。
このことは、26条2項の「抵触」の規定に「意匠権」が入っているのに対し、26条1項の「抵触」の規定には「意匠権」が入っていないこととも整合します。)
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