弁理士試験-専用実施権設定後の実施権許諾

専用実施権設定後の実施権許諾
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独占的通常実施権 – ポン太
2010/10/24 (Sun) 22:53:20
「甲と乙の共有にかかる特許権が存在する。
乙は丙に専用実施権を設定する旨の契約をしたが、登録はまだ(甲の同意あり)。
甲は丁に通常実施権の許諾をした(乙の同意あり)。
この場合、丙と丁の法律関係はどうなるか?」
という問題があったのですが丙は丁に損害賠償請求できるのでしょうか?
甲の丁に対する実施許諾は正当ですが、丁は独占的通常実施権と考えると、独占的通常実施権の定義は「ほかに実施権の許諾をしない旨の特約をともなった通常実施権」なので、丁に対する実施権の許諾は無効なのかなと思います。 
無効なので賠償請求できるという考えに至ったのですが間違っていますか?
Re: 独占的通常実施権 – 管理人
2010/10/27 (Wed) 12:20:51
専用実施権は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明を独占排他的に実施できる権利です。
そのため、専用実施権を設定している場合、特許権者は、その範囲では通常実施権を設定できません。
よって、甲の丁に対する実施許諾は無効と考えます。
従って、丙は丁に損害賠償請求でき、丁は甲に損害賠償できます。
Re: 独占的通常実施権 – ポン太
2010/11/09 (Tue) 20:59:10
専用実施権を設定していない場合、
つまり独占的通常実施権のときも特許権者は、その範囲では通常実施権を許諾できないのでしょうか?
独占的通常実施権はほかに実施権の許諾をしない旨の特約を伴うことが定義なので、通常実施権の許諾は無効ですか?
Re: 独占的通常実施権 – 管理人
2010/11/12 (Fri) 20:57:21
最初の質問については、「(契約違反になるので)許諾できない」が正解です。
しかし、仮に許諾したとしても、特許権者自身は通常実施権を許諾する権利を有しているので、通常実施権は有効です。
また、独占的通常実施権者は、独占している事実がある場合は損害賠償を請求できますが、独占できていない場合(通常実施権者がいる場合)は、損害賠償を請求できないと解します(花粉のど飴事件)。
つまり、特許権者の契約違反という問題があるだけで、通常実施権の許諾は有効です。
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