商標権の侵害警告の対応
商標権の侵害警告の対応 – 4年目
2012/05/23 (Wed) 10:36:58
商標権を侵害しているとして警告、又は差止等を受けた場合の対応について質問します。
対応としては、否認、抗弁(26条、32条(先使用権)、準特104条の3、損害不発生、商標的使用態様でない主張)、があると思います。
この他にも何かありますか?
又、慣用商標を使用している場合で、26条の抗弁と、商標的使用態様でない抗弁の両方が記載してる模範答案がありました。
(商標的使用態様ではない、のは、巨峰事件ですか?)
慣用商標なので、26条は当てはまるのは分かりますが、商標的使用態様でない、のはピンと来ません。
これは、両方同じことを言っているのでは?と思ったのですが・・・。
どう解釈したら良いのでしょうか?
Re: 商標権の侵害警告の対応 – HYOUEI2012
2012/05/23 (Wed) 12:03:13
商標的使用態様ではないという主張は、「商標権侵害」自体が成立していないという否認である一方、商標法26条1項各号の主張は、(仮に)商標権侵害が成立するとしても当該商標権の行使は権利濫用にあたるという抗弁であるからです。両方同じことを言っているのではないと考えます。
Re: 商標権の侵害警告の対応 – 管理人
2012/05/25 (Fri) 12:01:04
HYOUEI2012さん
回答への御協力ありがとうございます。
さて、警告を受けた時の他の対応ですが、すぐに思いつくのは取消審判(商50条等)ですね。
また、慣用商標を使用している場合で、商26条の抗弁と、商標的使用態様でない抗弁の両方を記載していたとのことですが、「自己が使用している商標は慣用商標である」及び「仮に慣用商標でないとしても商標的使用態様ではない(意匠的に使用されている等)」という主張だと思います。
問題文から「慣用商標の使用」であることが明らかであれば別として、そうでなければおかしい記載ではないと思います。
なお、巨峰事件も商標的使用態様に関わる事件です。
梱包容器についての慣用商標だったとしたら、そのものですね。
Re: 商標権の侵害警告の対応 – 4年目
2012/05/25 (Fri) 14:20:47
対応ありがとうございます。
ところで、取消審判は侵害訴訟を提起された場合でも、審判請求できますか?
また、①警告を受けた場合と、②訴訟を提起された場合とで、できる主張及び対応は違ってきますか?
よろしくお願いします。
Re: 商標権の侵害警告の対応 – 4年目
2012/05/25 (Fri) 14:47:55
追加で質問です。
管理人さんのコメントで、
『問題文から「慣用商標の使用」であることが明らかであれば別として』
とありますが、「慣用商標の使用」であることが明らかな場合はどういった解釈になりますか?
Re: 商標権の侵害警告の対応 – 管理人
2012/05/28 (Mon) 14:53:53
以下、御質問にお答えします。
①取消審判は侵害訴訟を提起された場合でも、審判請求できますか?
→できます。なお、取消の効果は将来効ですので(商54条)、差し止めの場合に特に有効となります。
②警告を受けた場合と、訴訟を提起された場合とで、できる主張及び対応は違ってきますか?
→例えば、特104条の3については、警告時には単に「無効理由の検討(又は無効審判請求)」になります。
後は、特に変わらないと思いますが、差し止めの場合は「損害不発生」の抗弁は使わないですね。
③「慣用商標の使用」であることが明らかな場合
→問題文に「慣用商標を使用する甲」等とある場合です。
Re: 商標権の侵害警告の対応 – 4年目
2012/05/28 (Mon) 16:02:30
とうことは、慣用商標の場合は、商標的使用態様でない旨の否認は、『出来ない、又は意味がない、又はおかしい』という事ですか?
Re: 商標権の侵害警告の対応 – 管理人
2012/05/28 (Mon) 19:41:51
慣用商標を「使用して」いるという前提ならば、商標的使用態様であることが明らかなので、商標的使用態様でない旨の否認はおかしいです。
なお、慣用商標を「付して」いるならば、商標的使用態様でないこともありえますので、商標的使用態様でない旨の否認を記載してもおかしくないです。
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