すばらしき特殊特許の世界(感想)

すばらしき特殊特許の世界
実は随分前に読了していたものの、
中々時間が取れずに先送りしていた、
稲森 謙太郎先生の
「すばらしき特殊特許の世界」をご紹介したいと思います。
さて、本書は知財業界では非常に著名な、
「知られざる特殊特許の世界」の続編です。
特殊特許というのは、一言で言えば普通じゃない特許のことで、
珍しい内容、背景、経緯などがある特許が該当します。
このような特殊特許は一部知財関係者に非常に愛されており、
前作はこの特殊特許の入門書として非常に面白い作品でした。
というわけで、今回も期待でワクテカしながら読み進めさせて頂きました。
まず、今回も前作同様に、稲森氏の綿密な取材により、
特殊特許のより詳しい背景を知ることができます。
このように、特殊特許の内容だけでなく、
取材を通じて得られた背景まで知ることができるのが一番の読み処ですね。
例えば、iPS細胞を用いた治療を行ったとして大騒動を起こした森〇氏は、
C型肝炎の治療のための医薬を発明しているのですが、
それについて、森〇氏に直接取材をしていたりするのです。
彼の人柄をうかがえるという点からも、単なる特許の紹介を超えていると言えます。
このように、非常に興味深い一冊ですのでぜひご一読頂ければと思います。

蛇足ですが、前作も読んだ私としては、
今作は、特殊特許にしては発明として成立するものが多く、
若干期待はずれでした。
例えば、今作で唯一私が知っていた特許として、
「結婚指輪ならではの特性を備えた指輪」というもの(特許4051502)があります。
これなどは、個人で良く頑張ったなと思う位で、
発明としては立派に成立しています(自ら出願前に販売していた気がしますが)。
やっぱり、特殊特許と言えば、
「若い男性の人格形成の方法」であり、
「パンゲア大陸からの離陸」であり、
「HIDETO」なのです(これはチョロっと出てきます)。
というわけで、今作に興味を持たれた方は、私一押しの前作も読んで頂きたいと思う。

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