弁理士試験-請求項ごとの無効審判請求

請求項ごとの無効審判請求
審判における、「請求項ごと」の意味 – yutato
2014/07/27 (Sun) 22:50:22
お世話になっております。
審判における、「請求項ごと」の意味について質問があります。
特許庁からダウンロードできる無効審判請求書作成見本では、
請求の趣旨が
「特許第○○○○○○○号発明の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」
とするものが紹介されています。
この場合、審判は、「請求項ごとに」請求されたことになるのでしょうか?
また、
もし当該特許権の請求項の数が全部で2個であるならば、上記「特許請求の範囲の請求項1及び2に・・・」は、その全部の請求項に相当するから、
特許権ごとに請求していることになり、「請求項ごとに」請求したとは言えなくなるのでしょうか?
以上、よろしくお願い致します。
Re: 審判における、「請求項ごと」の意味 – 管理人
2014/07/29 (Tue) 14:59:27
私見ですが、特許権の請求項の数が全部で2個である場合に、その全部の請求項について無効にするための請求をしたならば、結局一部の請求項について審決が確定することにはならないので、請求の趣旨の書き方に関わらず特許権ごとに請求していることになるのだと思います。
Re: 審判における、「請求項ごと」の意味 – yutaro
2014/07/30 (Wed) 23:43:08
管理人様、ご回答ありがとうございます。
請求時に関しては納得したのですが、
審決時の「~ごと」の意味についてさらに疑問があります。
167条の2には以下のように規定されています。
「審決は、審判事件ごとに確定する。ただし、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより確定する。
一  請求項ごとに特許無効審判の請求がされた場合であつて、一群の請求項ごとに第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた場合 当該一群の請求項ごと
二  一群の請求項ごとに訂正審判の請求がされた場合 当該一群の請求項ごと
三  請求項ごとに審判の請求がされた場合であつて、第一号に掲げる場合以外の場合 当該請求項ごと」
ここで、なぜ全て「審判事件ごとに確定する」のみで十分とはならないのでしょうか?
つまり、わざわざ、請求項ごとに確定するなどと言わなくても、
一つの審判事件において、一つの審決書に、「請求項1は、維持。請求項2は無効。請求項3は・・・」と結論が書かれることとなると思うのですが、
そのようなことは、「請求項ごとに~」うんぬんを付け加える法改正が行われる前からなされてきたと思っていたのですが、違うのでしょうか?
まだ学習が浅いせいかもしれませんが、わざわざ請求項ごとに確定すると明文化する意義がよく分かりません。
もしかしたら、一つの無効審判が請求されたときに、時系列で、順次、議論が熟した請求項から審決を小出しで送達できることを意味しているのだろうか、などといろんな想像をしてしまいます。
このあたりの事情を説明していただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
Re: 審判における、「請求項ごと」の意味 – 管理人
2014/07/31 (Thu) 12:12:30
H23改正本に詳しいですが、審決は原則として審判事件毎に確定します。
ただし、一群の請求項の中で請求項毎に審決の確定時期が分かれてしまうと、確定時期の異なる複数の特許請求の範囲を読み分けなければならなくなり、公示が分かり難くなるため、特167条の2が新設されました。
なお、審決は、それに対して不服のある者により法の規定する期間内に訴えが提起されず、又は提起されても終局的にその審決等が支持されて、通常の不服申立ての方法で取り消すことができない状態になったとき確定します。
つまり、審決謄本の送達があっても、審決が確定するとは限りません。
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「請求項毎の訂正請求と審決確定」
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