弁理士試験-裁定通常実施権の取消

裁定通常実施権の取消
裁定通常実施権の85条2項の準用について – ぽにょ
2010/08/17 (Tue) 11:18:16
特許法の85条2項に関係する条文がよくわかりません。
解釈として以下で正しいのでしょうか。90条1項では、「長官は裁定後、権利者が実施若しくは裁定を受けた通権者が不実施の場合、利害関係人の請求により又は職権で裁定された通権を取り消すことができる。」しかしながら、裁定後は「90条1項にかかわらず正当な理由がある場合は」取り消しはされない(85条2項)。このことは不実施の場合の裁定(83条)以外の(92条、93条の)裁定通常実施権にも同じである。後段の2つの裁定通権は90条2項が準用されていないため?。
また、裁定通常実施権を設定する場合においても、不実施(93条)についての正当理由があれば裁定できない(85条2項)。しかしながら、このことは不実施の場合の裁定(83条)以外の(92条、93条の)裁定通常実施権には当てはまらず、正当理由があっても必ず裁定通常実施権が設定される。なぜならば85条2項が準用されていないためである。
Re: 裁定通常実施権の85条2項の準用について – 管理人
2010/08/17 (Tue) 18:15:46
順を追って説明すると、
①裁定通常実施権の設定
②-a不適当実施
②-b不適当実施(正当理由有り)
となります。
②-aの場合は、特90条1項で裁定を取り消すことができます。
一方、②-bの場合は、準特85条2項により取り消されません。
そして、特92条及び特93条は、特90条1,2項を準用しています。
よって、②-aの場合は準特90条1項で取り消すことができ、②-bの場合は準特90条1項で準用する特85条2項により取り消されません。
この点、「特92条及び特93条にて特90条2項が準用されていない」というのは、誤りです。
また、不実施裁定(特93条)について、正当理由があれば裁定できないのはおっしゃる通りです(特85条2項)。
そして、特92条及び特93条において、特85条2項不準用のために正当理由があっても裁定通常実施権が設定されるというのも正しいです。
なお、特85条2項不準用の理由としては、特92条及び特93条が不実施を理由とする裁定ではないので、そもそも特許権者が実施しているか否かは問題とならないからであると思われます(適当に実施されていても裁定通常実施権の設定があり得る)。
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