弁理士試験-忌避審決に対する不服申し立て

忌避審決に対する不服申し立て
審判官の忌避申立ての決定について – 子羊
2010/01/09 (Sat) 16:50:32
毎度お世話になります。また過去問で不明点があり教えてください。下記の枝は正しいのでしょうか?
「審判官の忌避の申立てについて認めない旨の決定があり、その申立てに係る審判官がその事件について審決をした場合、その審決の取消訴訟において、その決定の当否を争うことができる。」
特143条3項から「不服を申立てられない」とあるので、その取消訴訟でも忌避の当否を争点には出来ない、と思ったのですが、正しい枝の数が解答と合わないので本枝が「正しい」のかなと思いまして…
Re:審判官の忌避申立ての決定について – ペンキ
2010/01/11 (Mon) 20:22:26
特143条は、特許庁の審判が、いわゆる準司法的な行為を行う機関であることから、民事訴訟法25条に準じて規定されたもです。ただし、民訴25条4項が、除斥又は忌避を理由がないとする決定に対しては即時抗告を行うことができる旨規定されていますが、特許法では、除斥又は忌避の申立てに対する審判における除斥又は忌避の決定に対しては、不服を申し立てることができないとされています。これは、除斥又は忌避の申立てについての審判は、本案の審判と異なり審判請求書が提出されず、手数料を納付することを要せず、審決によって終了するものでもない、いわば附帯的な審判と位置づけられており、このようにしても審判の公正が妨げられる危険性は少なく、かつ本案の審決に対する訴えをもって、他の不服事項と共に不服を申し立てることができるからです。
すなわち、現行商標異議申立てについての決定に対して不服を申し立てることができないこととした趣旨と同じく、別途争う方法があることでもあり、それ自体について争わしめているといたずらに手続の遅延を招くということにほからならないからです。仮に申立てについての決定を誤ったため除斥原因のある審判官又は忌避されるべき審判官が審理し審決をしたとしても、その審決に対して不服を申し立てれば、その決定に対する不服申立ての目的も達することができるからです。
したがって、審判官の忌避の申立てについて認めない旨の決定があり、その申立てに係る審判官がその事件について審理し審決をした場合、その審決の取消訴訟において、他の不服事項とともに、その決定の当否を争うことができます。
Re: 審決の効力(特167条) – 子羊
2010/01/11 (Mon) 22:57:23
ご丁寧な回答、ありがとうございます。
「忌避申立ての決定の当否も含めて取消訴訟で争う事が出来る」、ということで、本枝は正しい訳ですね。
「いたずらに手続きの遅延を招く」という事で、忌避についてまで裁判で蒸し返す事は許されないのかと思ってしまいましたが、実際は「他の不服事項と共に」審決の当否を争う事が出来るんですね。
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