弁理士試験-コカ・コーラ事件

コカ・コーラ事件
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コカコーラと4条1項18号について – ごちゃごちゃ
2009/11/30 (Mon) 15:23:19
コカコーラ瓶事件と4条1項18号の関係について教えて下さい。コカコーラ瓶事件では立体的形状に識別力が発揮することを肯定する基準として、?長年にわたり同一の形状を備えてきたか。?ブランドシンボルとして認識されているか。?販売数量,広告。内容、アンケートの調査結果、専門家の見解等の要件から参酌して3条2項を適用されたと考えて良いのでしょうか。またそれでも4条1項18号で拒絶にはされなかったのでしょうか。
Re: コカコーラと4条1項18号について – 管理人
2009/12/01 (Tue) 19:58:59
ご質問は平成19年(行ケ)第10215号のことですね?(http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=36397&hanreiKbn=06)
ご存知の通り、本事件は、商3条1項3号による拒絶審決に対する審決取消訴訟であります。
そして、判決では、本件立体商標(コカ・コーラ瓶)が商3条1項3号に該当するとした上で、商3条2項により自他商品識別力を有すると認められました。
この判決中、自他商品識別力の認定に寄与したと思われる事実は、以下の通りです。
ア 形状が変更されず、一貫して同一の形状を備えてきたこと
イ 販売数量が多いこと
ウ 宣伝広告費用が多額であり、本件商品の形状を出所識別表示として機能させるよう、意識的に広告媒体に放映・掲載等させていること
エ 本件商標と同一の立体的形状の無色容器を示された調査結果において、6-8割の回答者が「コカ・コーラ」と回答していること
オ 相当数の専門家が自他商品識別力を有する典型例として指摘していること。また。本件商品の形状に関連する歴史等を解説した書籍が数多く出版されてきたこと
カ 本件商標の特徴点を兼ね備えた商品が市場に流通していないこと、また、類似形状の容器等の使用を中止させてきたこと
キ 本件商品の形状はが「ブランド・シンボル」として認識されるようになっていること
そして、上記事実により、自他商品識別力が認定されたのです。
つまり、総合判断の結果なのであって、ご質問にあるような特定の事実要件を満たしたために、自他商品識別力が認定されたのではありません。
ただし、判決では、「長年にわたる一貫した使用の事実(イ)」、「大量の販売実績(ウ)」、「多大の宣伝広告等の態様及び事実(エ)」及び「商品の形状が原告の出所を識別する機能を有しているとの調査結果(オ)」に特に着目しています。
そのため、これらの事実が自他商品識別力の認定において重視されると言うことはできます。
また、商4条1項18号について判決では、「機能を確保するために不可欠とまでは評価されない形状については、商品等の機能を効果的に発揮させ、商品等の美感を追求する目的により選択される形状であっても、商標登録の対象とされ得る」と認定しています。
そして、本件商標は、「ラベル近辺から底面近傍まで縦に柱状の凸部を10本並列的に配している」等、「不可欠とまでは評価されない形状」を有すると判断されます。
そのため、同号により拒絶されなかたったものと思われます。
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