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R01年短答条約問10
次の文章は、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定における知的所有権の行使について述べた文章である。①~⑤の空欄に語句を入れたとき、空欄番号と語句の組合せとして、最も適切なものは、どれか。
民事上の司法手続では、手続の当事者は、( ① )を提出することについての正当な権利を有する。民事上の司法手続では、一方の当事者が( ② )を提出し、かつ、他方の当事者の有する当該主張の裏付けに関連する証拠を特定した場合には、司法当局は、適当な事案において秘密の情報の保護を確保することを条件として、他方の当事者にその特定された証拠の提示を命じる権限を有する。
暫定措置では、司法当局は、申立人が権利者であり、かつ、その権利が侵害されていること又は侵害の生じる差し迫ったおそれがあることを十分な確実性をもって自ら確認するため、申立人に対し( ③ )を提出するよう要求する権限を有する。
国境措置では、税関当局による物品の解放の停止手続を開始する権利者は、輸入国の法令上、当該権利者の知的所有権の侵害の事実があることを権限のある当局が( ④ )を提出し、及び税関当局が( ⑤ )を提出することが要求される。
枝1
1 ①その主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠
②その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠
③容易に識別することができるよう物品に関する十分詳細な記述
④一応確認するに足りる適切な証拠
⑤合理的に入手可能な証拠
解答
✕ TRIPS協定42条に記載の通り、手続の当事者は、「その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠」を提出することについての正当な権利を有する。よって、①が誤りである。
枝2
2 ①その主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠
②その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠
③合理的に入手可能な証拠
④容易に識別することができるよう物品に関する十分詳細な記述
⑤一応確認するに足りる適切な証拠
解答
✕ TRIPS協定43条(1)に記載の通り、一方の当事者が「その主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠」を提出し、かつ、他方の当事者の有する当該主張の裏付けに関連する証拠を特定した場合には、司法当局は、適当な事実において秘密の情報の保護を確保することを条件として、他方の当事者にその特定された証拠の提示を命じる権限を有する。よって、②が誤りである。
枝3
3 ①その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠
②その主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠
③容易に識別することができるよう物品に関する十分詳細な記述
④合理的に入手可能な証拠
⑤一応確認するに足りる適切な証拠
解答
✕ TRIPS協定50条(3)に記載の通り、司法当局は、申立人が権利者であり、かつ、その権利が侵害されていること又は侵害の生じる差し迫ったおそれがあることを十分な確実性をもって自ら確認するため、申立人に対し「合理的に入手可能な証拠」を提出するよう要求する権限を有する。よって、③が誤りである。
枝4
4 ①その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠
②その主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠
③合理的に入手可能な証拠
④一応確認するに足りる適切な証拠
⑤容易に識別することができるよう物品に関する十分詳細な記述
解答
◯ TRIPS協定52条に記載の通り、権利者は、輸入国の法令上、当該権利者の知的所有権の侵害の事実があることを権限のある当局が「一応確認するに足りる適切な証拠」を提出する。よって、④は正しく、また、他の枝で説明したように、①,②、③、⑤も正しい。
枝5
5 ①その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠
②その主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠
③合理的に入手可能な証拠
④容易に識別することができるよう物品に関する十分詳細な記述
⑤一応確認するに足りる適切な証拠
解答
✕ TRIPS協定52条に記載の通り、権利者は、税関当局が「容易に識別することができるよう物品に関する十分詳細な記述」を提出することが要求される。よって、⑤が誤りである。
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