R01年短答特実問15

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R01年短答特実問15

 特許出願に関する優先権に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
 ただし、特に文中に示した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際出願に係る特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録に基づく特許出願ではなく、取下げ、放棄又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとし、文中に記載した優先権の主張は取り下げられていないものとする。

枝1

 特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う特許出願をする場合において、先の出願について仮通常実施権を有する者があるときには、当該特許出願の際に、当該仮通常実施権を有する者の承諾を得なければならない。

解答
 国内優先権主張の際に仮通常実施権の承諾が不要とされている(青本)。なお、仮通常実施権の許諾されている特許出願等に基づいて国内優先権主張がされたときは、当該優先権主張を伴う特許出願(後の出願)について、先の出願についての仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において仮通常実施権が許諾されたものとみなされる(特34条の3第5項)。

枝2

 甲は、パリ条約の同盟国である国Xにおいてした特許出願Aの出願日から1年以内に、特許出願Aに係る発明と同一の発明について、パリ条約第4条D(1)の規定により優先権を主張して、日本国に特許出願Bをした。この場合、国Xが、特許法第43条第2項に規定する書類(いわゆる優先権書類)を日本国と電磁的方法により交換することができる国でなくとも、甲は、優先権書類を特許庁長官に提出したものとみなされることがある。

解答
 特43条5項の経済産業省令で定める場合は、特施則27条の3の3第2項に規定されている。例えば、WIPOのデジタルアクセスサービス(DAS)を利用する場合、出願人が日本国と電磁的方法により交換することができない国である同盟国Xの第一庁から発行されるアクセスコード等を日本特許庁へ提示することで、DASを介して優先権書類が電子的に送付される。

枝3

  パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しておらず、日本国民に対し、日本国と同一の条件により優先権の主張を認めることとしている国Xの国民が国Xにおいてした出願に基づく優先権、及び日本国民又はパリ条約の同盟国の国民若しくは世界貿易機関の加盟国の国民が国Xにおいてした出願に基づく優先権は、パリ条約第4条の規定の例により、日本国における特許出願について、これを主張することができる場合はない。

解答
 パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない特定国(日本国民に対し、日本国と同一の条件により優先権の主張を認めることとしているものであつて、特許庁長官が指定する国)の国民が、その特定国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第4条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる(特43条の3第2項)。

枝4

  意匠登録出願を基礎として、特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う特許出願をすることができる。

解答
 特許を受けようとする者は、特許出願又は実用新案登録出願に記載された発明に基づいて優先権を主張することができ(特41条1項)、意匠登録出願は規定されていない。

枝5

 甲は、特許出願Aをした後、特許出願Aを実用新案登録出願Bに変更した。特許出願Aの出願の日から1年以内であって、実用新案登録出願Bについて実用新案法第14条第2項に規定する設定の登録がされていない場合に、甲は、実用新案登録出願Bの実用新案登録の請求の範囲に記載された発明に基づく特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う特許出願Cをすることができる。

解答
 先の出願が実10条1項の規定による出願の変更に係る実用新案登録出願である場合は、国内優先権主張出願の基礎にすることができない(特41条1項2号)。

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