「〇〇等」という記載が「〇〇」以外の要素を示し、「〇〇」に限定しないことは新規事項追加ではないとされた事例

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特許法 独学 チワワ

令和4年(行ケ)第10092号「審決取消請求事件」
ゲームに関する発明(特願2017-171341号)の補正に関して、「攻撃力及び防御力等」における「等」が、攻撃力及び防御力以外の要素を示すと解することは可能であり、「攻撃力及び防御力」に限定しないことが新規事項の追加ではないとされた事例を紹介します。
本事件の審決(不服2020-5296)では、本件補正前の「強さ」という用語を、「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータである強さ」とした本件補正が、新規事項の追加であるとして却下されました。

この点、審決では、明細書に記載されている課題を参酌して、「強さ」の定義を「攻撃力及び防御力の合計値」のみである(体力、俊敏さ、所持アイテム数等が「強さ」であることまでは記載されていない)と認定しています。
本願発明が解決しようとする課題は、段落【0004】、【0005】及び【0006】の摘記から明らかなように、「攻撃力及び防御力の合計値が乖離してしまう」ことに起因して、ゲームに対するユーザの興味を著しく低下させてしまっていたことであると認められる。上記課題からすれば、「強さ」とは、「攻撃力及び防御力の合計値」のみであると認められる

一方、知財高裁は、
1.本願発明の課題は「対戦ゲームにおいて、不適切な強さの対戦相手との対戦が行われることを防ぐ」ことである
2.「強さ」に、体力、俊敏さ、所持アイテム数等が含まれることは技術常識であった
3.「攻撃力及び防御力等」における「等」が、攻撃力及び防御力以外の要素を示すと解することは可能である
と判断しました

そして、知財高裁は、「強さ」を「攻撃力及び防御力の合計値」に限定するか否かは、任意の付加的な事項にすぎないとして、本件補正は、新たな技術的事項を導入しておらず、新規事項の追加ではないと判断しました。
その結果、補正却下は誤りであるとされ、審決が取り消されています。
本事例から、(技術常識であったという前提があるものの)「等」という記載が、その前の例示列挙を補う意味を持つことが分かります。

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