弁理士試験-H22論文(特許問1-2)

H22論文(特許問1-2)
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平成22年度特許法第2問について – たけぼう
2010/12/29 (Wed) 06:55:19
平成22年特許法第2問は概略次の通りです。
①甲は研究発表会で発明イを発表後、30条の適用を受けて出 願Xをした。
②乙は研究発表会を聞いて、出願Xより先に発明イに係る出 願Y1(冒認出願)をパリ条約の同盟国した。
③乙はその後、出願Y1に基づくパリ優先権を主張して日本国 を指定国とする国際出願Y2(外国語出願)をした。
設問(2)で出願Xの審査において、出願Y2が拒絶の理由の根拠になるか否か、を問われています。
29条の2と39条が解答のポイントとなりますが、39条についてお尋ねします。
正解は、出願Y2は39条6項によって特許出願でないとみなされるため、出願Y2は出願Xの先願の特許出願になりえず39条1項の拒絶理由に該当しない、です。
一方、「出願Y1は研究発表会で公知になっているので29条1項で拒絶される。この場合には39条5項により39条1項の適用については初めからなかったものとみなされる。したがって出願Y1に基づくパリ優先権を主張したY2は39条1項の拒絶理由に該当しない」とも考えました。
後者の論述は誤りでしょうか。そうであるならどの点に誤りがあるでしょうか。
ご教示よろしくお願いします。
Re: 平成22年度特許法第2問について – saru
2010/12/30 (Thu) 17:22:54
平成22年特許法論文試験の問題1の設問(2)ですね。
今年の論文試験受けて合格した者ですが、以下、個人的な見解を書きます。
まず、「“Y1”が拒絶される」とありますが、Y1は日本国以外の国での出願なので、甲の発表によって拒絶されるかどうかは分かりません。また、たとえY1が拒絶されようとも、Y2の審査には何ら影響を及ぼすものでもありません。
また、「Y2に拒絶理由があるからY2に先願の地位がない」というのは確かにその通りで(設問(3)にもあり)、この記載を書いてもよいとは思いますが、冒認を挙げたうえでさらになお書きで書く程度でよいかと思います。つまり、冒認の方が優先度は高いということです。
理由は、
(1)他の受験生のほとんどが冒認を挙げると考えられます。
(2)Y2が甲の発表により拒絶されるとは限りません。拒絶されずに(過誤で)特許になった場合、先願の地位を有します。一方、冒認出願は、過誤で特許となった場合であっても、先願の地位を有しません(36条6項で冒認出願は「出願ではない」と規定されているため)。
したがって、Y2は冒認出願なので39条1項の先願ではないと書いた方が無難と思います。
なお、論文試験では、多くの受験生が書くことを優先的に書く方が点を稼げると思います。多くの受験生が書くことを書いた上で他のことを書くのは加点になると思いますが、他の受験生が書くことを書かないで他のことを書いてもあまり点は伸びないと思います。
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