弁理士試験-通常実施権と質権

通常実施権と質権
質権の設定について – 初学者
2013/01/07 (Mon) 02:05:55
特許法において先使用による通常実施権79条(先使用権)、や無効審判前の請求登録前実施による通常実施権80条(中用権)、意匠権存続期間満了後の実施権81条(意匠後実施権)
などについて質権は設定できるのでしょうか?
94条の2項では、
「83条2項(不実施の裁定の実施権)、92条3項、4項(自己の発明の実施の裁定の実施権)、93条(公共の利益のための通常実施権)、実用新案22条3項、意匠33条3項 の
裁定による実施権を除き、特許権者の承諾を得た場合に限り、その通常実施権について質権を設定できる」とあります。
これは、
不実施の場合の裁定通常実施権、
自己発明の実施の裁定実施権
公共の利益のための裁定通常実施権
実用新案22条3項、意匠33条3項の裁定の通常実施権
などの裁定による実施権に質権は設定できない。
それ以外の通常実施権、先使用権、中用権、意匠の存続期間満了の実施権など
法定通常実施権については
特許権者の承諾を得れば質権設定可能。
と解釈していいのでしょうか?
また、商標については先使用権に対して質権の設定ができないようなのですが、特許との
違いはなんでしょうか?
Re: 質権の設定について – 短答2年目
2013/01/09 (Wed) 04:21:36
完全には私も整理できていませんが、回答させていただきます。最後に勝手なまとめをしましたので、ここが正しいかのコメントを追加でどなたかお願いします。
これは、通常実施権、通常使用権と、
単なる使用権とがあるためです。ややこしいですが。
商標での
先使用権は通常使用権ではなく、
特殊というか特別な使用権として区別されています。
そして、質権設定は不可能です。
特許法では、
79条 先使用による通常実施権
80条 無効審判の請求登録前の実施による通常実施権
のように必ず通常実施権と書かれています。
商標法では
32条 先使用による商標の使用をする権利
33条 無効審判の請求登録前の使用による商標の使用をする権利
のように通常使用権とは書かれていません。
整理しますと
特実意 → 通常実施権は登録不要 → 質権設定可能
特実意 → 法定実施権は通常実施権 → 質権設定可能
特実意 → 裁定による通常実施権 → 質権設定不可能
商 → 登録した通常使用権 → 質権設定可能
商 → 特実意の法定実施権に相当するものは個別使用権 → 質権設定不可能
商 → 裁定はなし
と理解しています。
これで正しいでしょうか?
Re: 質権の設定について – 管理人
2013/01/11 (Fri) 12:30:36
短答2年目さん
回答へのご協力ありがとうございます。
さて、おおむね短答2年目さんのおっしゃる通りです。
つまり、裁定通常実施権には質権を設定できず、許諾通常実施権及び法定通常実施権については、特許権者の承諾を得れば質権の設定が可能です。
また、商標の先使用による商標を使用する権利は、通常使用権とは異なり、例えば、禁止権の範囲であっても使用をすることができます。
そういう理由で、通常実施権等とは異なり、質権の設定ができないものと思われます。
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