弁理士試験-補正・取下後の拡大先願の地位

補正・取下後の拡大先願の地位
拡大先願の地位について – 虎党
2010/01/14 (Thu) 08:09:57
初学者です。
第29条の2にある拡大先願についてですが、「願書に添付した最初に添付した明細書、特許請求の範囲、図面」と同一であるときは・・・とあります。
出願したとき、A,Bという2つの発明を記載しているとします。
このとき、
①公開前の補正でAを削除した場合、このAは拡大先願の地位を有するのでしょうか?
②公開前にこの出願自体を取り下げた場合、A、Bの発明は拡大先願の地位を有するのでしょうか?
29の2条の趣旨を考えた場合、これら発明が公開されることによって、後願で同じ内容を公開しても何ら新しい技術を公開したことにならないため、この後願は拒絶されると解釈しているので、上記①②は拡大先願の地位を有しないのではと考えました。
ご教示のほど、よろしくお願いします。
Re: 拡大先願の地位について – 管理人
2010/01/14 (Thu) 12:09:37
①については、発明Aを削除した場合であっても、公開により発明Aについて拡大先願の地位が発生します。
おそらくは、再補正によって復活することがあるために、拡大先願の地位を与えないわけにはいかないという事情があるのだと思います。
なお、公開前に補正があった場合、公報発行準備に間に合えば補正内容も公開されます。
といっても、削除補正の場合は、補正書に削除した発明の内容(質問では発明A)が記載されないので、削除した発明の内容が公開公報に載るわけではないです。
②については、「公開前にこの出願自体を取り下げた」という条件だけでは判断できません。
なぜなら、出願を取り下げても公開される場合(例えば、出願公開の請求後の出願取下げ)があるため、出願取下げ後に公開されたか否かによって答えが変わるからです。
つまり、出願取下げ後に公開されれば、A・Bの発明は拡大先願の地位を有し、公開されなければ拡大先願の地位を有しません。
12/26 補足
上記回答では、「削除補正の場合は、補正書に削除した発明の内容(質問では発明A)が記載されないので、削除した発明の内容が公開公報に載るわけではないです。」
といっていますが、間違いです。
公開公報には当初明細書の内容で公開されるので、削除した発明の内容も掲載されます。
お詫びして訂正いたします。
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