弁理士試験-特39条5項

特39条5項
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39条5項 – ポン太
2010/09/03 (Fri) 00:32:27
放棄された出願や拒絶査定が確定した出願に先願の地位を認めないこととした理由が青本に記載されています。
この内容が理解できずにいます。
「第三者が同じ発明に想到せず、技術が秘密に保たれれば、無期限にその発明を独占できることになるから」
これはどういうことなのでしょうか?
先願の地位を認めないこととした理由にならない気がします。
Re: 39条5項 – 管理人
2010/09/08 (Wed) 14:44:35
一言で言えば、有限の独占権であるべき特許権が、実質的に無期限の独占権になるのは問題であるということです。
青本の該当箇所には、改正前の問題点として「公開前に拒絶査定又は審決が確定した出願は、出願公開されず第三者の利用に貢献していないにもかかわらず、第三者が発明を出願し公開した場合に、独占権を得ることを妨害できた」旨が、記載されています。
そして、さらなる問題点として、「第三者が同じ発明に想到せず、技術が秘密に保たれれば、無期限にその発明を独占できること」が挙げられています。
つまり、当該記載は、拒絶査定が確定した出願に先願の地位を認めた場合の問題点を挙げた記載です。
そして、このような問題があったので、先願の地位を認めないこととしたのです。
Re: 39条5項 – saru
2010/09/09 (Thu) 12:46:11
「一言で言えば、有限の独占権であるべき特許権が、実質的に無期限の独占権になるのは問題であるということです」
この場合になぜ先願の地位を認めないこととしたのがよくわかりません。
つまり、出願しない場合であっても、第三者が同じ発明に想到せず、技術が秘密に保たれれば、無期限にその発明を独占できるからです。また、先願の地位を認めなければ独占できなくなるわけではないのでは?
当該記載は、公開前の拒絶確定出願と公開後の拒絶確定出願との「バランス」に関するものと思われますが、いかがでしょうか?
つまり、公開前に拒絶された出願の方が、公開されて第三者の利用に貢献した出願よりも保護が厚くなっている弊害を解消するためと思います。
拒絶確定出願に先願の地位を残す場合の両出願の状態を以下に示します。
1.公開後に拒絶確定した出願:
(1)「利用」
公開されたので第三者の利用に貢献している。
(2)「独占」
公開されたので、出願人は独占できない。
(3)「他の出願の排除」
先願の地位(または拡大先願の地位)により、排除可。
2.公開前に拒絶確定した出願:
(1)「利用」
公開されていないので第三者の利用に貢献しない。
(2)「独占」
第三者が同じ発明に想到せず、技術が秘密に保たれれば、無期限にその発明を独占できる。
(3)「他の出願の排除」
先願の地位により、排除可。
Re: 39条5項 – 管理人
2010/09/09 (Thu) 14:57:45
saruさん、ご説明ありがとうございます。
おっしゃるようなご理解で正しいと思います。
なお、私の説明が足りていませんので、補足をします。
特許制度は、公開の代償として有期限の独占排他権を付与するためのものです。
そのため、そもそも非公開の技術に後願排除効があるのは好ましくありません。
さらに、従来は公開前に拒絶査定が確定した出願等は、第三者が同じ発明に想到せず、技術が秘密に保たれれば、無期限にその発明を独占できました。
そのため、公開された出願とのバランスが悪いという他に、そのような利点を狙って公開前に放棄するという戦略が取られていたという問題もありました。
そのような状況は好ましくないということで、先願の地位を認めないこととしたわけです。
【関連記事】
「先願の地位と出願公開」

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