特29条の2の出願人判断時期
特許法29条の2 – yutaro
2013/02/26 (Tue) 23:26:08
お世話になっております。
特許法29条の2について質問があります。
同条ただし書きにおいて、
「当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。」
とあります。
ここで出願人同一の判定時が当該特許出願時となってますが、
この判定時を、仮に、他の(先の)特許出願の出願公開時とした場合に何か不都合はあるのでしょうか。
どこかの時点で判定時を設けないと、承継等による出願人の変更可能性によりいつまでたっても同条の適用可否が決まらなかったり、あるいは、一旦適用したものの、出願人が同一となったため適用を取りやめたりしなけらばならなくなるので不都合がありますが、
このような点を考慮しても、判定時を出願公開時としても不都合はないように思います。
何か他に、判定時が、「出願公開時ではなく」当該(後の)特許出願時とした理由はあるのでしょうか。
以上よろしくお願いします。
Re: 特許法29条の2 – 白服 URL
2013/02/27 (Wed) 00:44:23
興味深い思考訓練ですね。
29条の2の判定時が仮に「先願の出願公開時」であったなら…
一例として、先願と後願の出願人が同一であった場合に、後願の譲渡等の自由が制限されるという不都合が考えられると思います。
つまり、後願を自ら所有していれば「出願人同一」により29条の2は適用されないのに、先願の公開前に他人に譲渡した途端に、29条の2が適用されてしまうということです。
この場合、例えば、公開前の仮実施権の設定の交渉力が弱くなるかもしれません。また、仮実施権を結んだあとに、その出願に係る発明の実施により有用性が認知され、他者から「その出願を買い取りたい」とかいう申し出を受けた場合でも、公開前までは譲渡することができません。売り時を逃すかもしれません。
雑談っぽいですが、「不都合」について、私は以上のようなことを妄想しました。(^_^;)
Re: 特許法29条の2 – 管理人
2013/02/27 (Wed) 17:45:24
白服さん
回答への御協力ありがとうございます。
さて、特許出願の出願公開時とした場合は、特許庁に不都合があるのだと思います。
つまり、出願時の出願人が変動することはありませんが、公開時の出願人は変動している可能性があります。
しかも、一般承継の場合は、届け出が効力発生要件ではありませんので、審査後に変動が発覚する可能性もあります。
そうすると、審査のやり直しとなるため、公開時の出願人を確認せずに審査をすることが困難になります。
そこで、出願人の変動がない出願時を起点にしているものと思います。
無題 – yutaro
2013/02/27 (Wed) 21:43:12
>白服様
ご回答ありがとうございます。
「適用除外に間に合うために、早く譲渡して出願人同一を達成する」という方向しか考えてませんでした。
「さっさと適用除外を確定させて、出願人同一の状態から誰か他の人に譲渡できる状態を作りたい」という場合もあるのですね。
>管理人様
ご回答ありがとうございます。
どうせ先の出願が公開されなければ最終敵な適用はできないのだから、
いつ出願人同一を調べても手間は同じだと思ってましたが、
後の出願時においては、少なくともその瞬間には後の出願の出願人は固定ということですね。
白服様、管理人様、ありがとうございました。
大変勉強になりました。
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