弁理士試験-排他的権利とは?

排他的権利とは?
排他的権利とは? – 湘南の初学者
2017/09/27 (Wed) 18:28:21
論試NGでした。挫けず頑張ろうと思います。
(H18意匠)部分意匠権者が自ら全体意匠を実施する際、他人に後願の全体意匠権が設定されている場合:
部分意匠の効力は排他的効力しかなく積極的効力は無い為、当該部分意匠権者であることは抗弁事由とならない→先願者は部分意匠の趣旨重視説により、全体意匠を実施できない。
上記の文言が以前から理解できていません。排他的権利と独占権は、工業所有権法の定義として、どのように異なるのでしょうか?
Re: 排他的権利とは? – 管理人
2017/10/03 (Tue) 14:40:34
独占権は排他的権利であり、重複する権利が生じません(排他的権利という場合は実施権を含んでいません)。
そして、独占権(≒独占排他権)は、自らが実施する効力と、排他的効力、すなわち他人の実施を排除する効力を有しています。
なお、商標法の禁止権は排他的権利であり、排他的効力、すなわち他人の実施を排除する効力のみを有しています。
また、通常実施権は排他的権利ではなく、自らが実施する効力のみを有しています。
ご質問の事例では、部分意匠Aについての部分意匠権者甲が自ら全体意匠Bを実施する際に、他人である乙が全体意匠Bについて後願に係る全体意匠権を所有している場合、甲及び乙はそれぞれ部分意匠A及び全体意匠Bについて独占権を所有していることになります。
このとき、甲の独占権は、甲が部分意匠Aを実施する効力(ただし、全体意匠Bに非類似の範囲)と、排他的効力(全体意匠Bを含む部分意匠Aの実施を排除する効力)を有しています。
換言すると、甲は全体意匠Bについては独占権を所有しておらず、部分意匠Aについての独占権の効力(排他的効力)に基づいて、全体意匠Bの実施を排除(差止)できる(意26条)に過ぎないということです。
そのため、甲は、乙の全体意匠Bについての意匠権に対して、自己の意匠権をもって対抗することができません
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なお、直近の本室更新は「H29年短答試験著不問10」です。

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