意10条1項と同3項
意匠法10条1項が無効理由ではなく、意匠法10条3項が無効理由である理由 – 短答2年目
2013/03/16 (Sat) 06:55:30
意匠法10条1項が無効理由ではなく、意匠法10条3項が無効理由である(意匠法48条1項)理由を教えてください。
ケース①:意匠イに類似する意匠ロが関連意匠として登録されており、更に、意匠イに類似せず関連意匠ロにのみ類似する意匠ハが意匠イの関連意匠として登録されているとき、意匠ハは無効となる(10条3項)。H15-42-枝2。
ケース②:一方、意匠イに類似しないにも関わらず、意匠ハが意匠イの関連意匠として登録されているとき、意匠ハは無効とはならない(10条1項)。H15-42枝4。
これらを比べると、ケース①の意匠ハもケース②の意匠ハも意匠イとの関係においては同等であって、間に意匠ロがあるかどうかだけに思えるのです。ケース①で無効審判が請求された時に、意匠ロを放棄すれば、意匠ハは無効とはならないのだろうか?という疑問も生じています。そうすれば、イとハとの意匠権者は意匠イ、ロ、ハを実質的には実施できるようにも思えます。
よろしくお願いします。(複数の質問になっていたら申し訳ありません)講座の意匠法10条関連は読みました。
Re: 意匠法10条1項が無効理由ではなく、意匠法10条3項が無効理由である理由 – 管理人
2013/03/18 (Mon) 11:59:09
講座の意48条1項1号の解説及び青本に記載してある通りです。
すなわち、意10条1項が無効理由に挙がっていないのは、そもそも本意匠の表示の欄を削除すれば登録されたものであり、それを意匠登録後に本意匠と関連意匠が類似していないという理由で無効とするのは意匠権者にとって酷だからです。
対して、意10条3項は、類似の無限連鎖を防止するための規定であり、本意匠の表示の欄を削除しても登録されません。
また、H15の例では間に意匠ロがあるから問題なのです。
本来、類似する複数の意匠であっても「一つ」の本意匠に類似する範囲に限り関連意匠として意9条の例外で登録を認めているのであり、類似の無限連鎖が生じるとそのような趣旨を没却してしまうからです。
なお、意匠ロを放棄しても、登録時に意10条3項違反であったことには変わらないので(訂正のような遡及効は無い)、無効理由は解消しません。
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