弁理士試験-商標権の取消時の先願の地位

商標権の取消時の先願の地位
商標権の取り消しの場合の先願の地位について – 選択受験者
2013/03/15 (Fri) 19:43:24
商標権が無効若しくは取り消しされると先願の地位は消失するのでしょうか。過去の管理人さんの解答を見ていると、先願の地位を有さないと考えるとされているように思いますが、当時は4条1項13号の存在も関係していたと思います。現行法ではどうなのでしょうか。
Re: 商標権の取り消しの場合の先願の地位について – 短答2年目
2013/03/16 (Sat) 10:32:32
青本の参考の部分(第19版の1294頁)に記述があります。商標権消滅後は、すぐにでも出願できると思われます。もちろん、3条や4条などの規定を満たしたうえでしょうが。
Re: 商標権の取り消しの場合の先願の地位について – 選択受験者
2013/03/16 (Sat) 19:38:04
1294ページに関しては私も読んでいたのですが、13号が削除された理由が記載してあるだけと思ったのですが。取り消し審決後はそれ以降に権利消滅するのでそれ以前の先願の地位は残るようにも思えたのですが、今までは13号でなんとなく理解していました。13号が削除された改正後は先願の地位が焼失するとしたら根拠規定はどこになるでしょうか。
Re: 商標権の取り消しの場合の先願の地位について – 短答2年目
2013/03/17 (Sun) 06:21:16
なるほど、深いですね。私は、13号が削除されて縛りがなくなったので、出願はすぐにできますと言っているのだと思っていました。縛りがもともと無くなったので、”縛りはありません”と書いた条文がないのではないでしょうか?すみません、私のような初心者では推測の域です。ここまでにして、管理人様のコメントなどを待ちます。
Re: 商標権の取り消しの場合の先願の地位について – 白服 URL
2013/03/17 (Sun) 11:52:57
選択受験者さんの質問は、「先願の地位」という言葉に惑わされているものと思われます。
質問内容を「先願の地位」という言葉を使わないで考えると、解決するでしょう。
※すみません、長文レスを投稿しようとして、誤って「リセット」のほうを押してしまい、心が折れたので、上記短文レスにしました…(^_^;)
Re: 商標権の取り消しの場合の先願の地位について – 管理人
2013/03/17 (Sun) 17:11:15
短答2年目さん、 白服さん
回答への御協力ありがとうございます。
私見になりますが、無効・取消に係る商標権は、先願の地位を有さないと思います。
前提として、無効・取消に係る商標を出願した場合、他の拒絶理由に該当しなければ登録査定を得ることが可能です(つまり、商4条1項11号の適用はありません)。
ここで、このように登録された商標が商8条1項の無効理由を有するという結論は妥当ではありませんので、先願の地位はないものと解釈するのが妥当です。
この点、商8条1項の先願主義とは、先願と抵触する重複登録を避けようとした規定であると解されます。
そして、商47条(5年の除斥期間)が存在することからしても、重複した商標登録の併存を法が許容しない程度は、特許法や意匠法等よりも低いと解されます(つまり、同一類似の商標を排除する要請が弱い)。
よって、商標法上の先願の地位を特許法等と同様に解釈する必要はないと思われます。
そのため、商標法上の先願の地位を独自に解釈し、「商標法における先願主義の趣旨」からして無効・取消に係る商標権は先願の地位を有さないと解しています。
そしてこれは、商4条1項13号が削除されても変わりません。
蛇足ですが、登録査定(審決)により先願の地位を喪失するという解釈もあります。
この場合、商8条1項の無効理由を主張できる理由は、「商8条1項の趣旨に反する」からになるかと思います。
此方の方が商8条とも整合するので、理解しやすいかもしれません。
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