弁理士試験-H19問44枝ロ

H19問44枝ロ
無題 – なんでだろう
2013/05/10 (Fri) 12:53:59
H19-44-ロの問題ですが、乙は甲の承諾を得ることなしに、乙の通常実施権を他人に譲渡することができる場合はない。となっています。講義では、放下移上と習いました。でもこの問題は間違えました。つまり、放下移上が使えないということでしょうか?
Re: 無題 – 管理人
2013/05/10 (Fri) 23:29:40
H19-44-ロの問題は以下の通りです。
「特許権者甲が、乙に対して通常実施権を許諾した場合に関し、次の(イ)~(ホ)の記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1~5のうち、どれか。
ただし、特に文中に示した場合を除き、他のいかなる特許権、専用実施権及び通常実施権も考慮しないものとする。
・・・
(ロ) 乙は、甲の承諾を得ることなしに、乙の通常実施権を他人に譲渡することができる場合はない。」
で、放下移上の話ですが、これは「承諾を得る事例」を覚える語呂であり、「上位の者の承諾を得なければ移転できない」という意味ではないです。
また、当然例外もあります。
なお、本枝の場合は、特94条の「実施の事業とともにする場合」があるので、×となります。
Re: 無題 – 白服 URL
2013/05/11 (Sat) 00:50:35
こんにちは、白服です。(^o^)/
これは自然科学を学んできた人が陥りやすい思考なのかもしれませんね。
「〇〇の法則」というような自然法則は、人類がそれを発見する以前から今日に至るまで、いつも同様に機能します。発見以後、専門家の批判に耐えてきた法則は、特異点のような特殊な場合を除いて、例外を心配しないで便利に使用することができるでしょう。
一方、「放下移上」のようなものは、自然法則ではなく、法律の規定を覚えやすいように、誰かが条文から帰納的に見出して名付けたものと思われます。法律には例外がつきものですし、改正もされます。
また、「放下移上」のようなものは、いつ創作されたのかが不明です。創作された当時、創作した人は、その適用限界も分かっていたはずですが、時を経て、その言葉が、創作時の考え方や適用限界を置き去りにして独り歩きを始めたことで、受け手によってはそれが“法則”であるかのように見えてきているのかもしれません。
「放下移上」のような便利な言葉に流れる前に、その情報は古くてもう通用しないかもしれない、根拠は何だろう? と疑い、創作時の思考を想像して辿ってみることをお勧めします。そして、自分なりに修正して、利用に備えましょう。
(おまけですが、例え話として、こんなのはいかがでしょうか。)
自然現象を理解するのに、法則を導くまではいかないけれども、「モデル」を考えることがあると思います。実験で見出されたデータから自然現象の実体を説明することができるモデルです。ここで、突然そのモデルに当てはまらないデータが現れたとき、どう受け止めたらよいでしょうか。そのデータを外れ値として捨てるべきでしょうか? それとも、データは事実として正しく、モデルのほうを修正しようと考えるべきでしょうか。思考の柔軟さや過去のモデルを捨てる勇気が問われる場面です。
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