弁理士試験-権利一体の原則

権利一体の原則
権利一体の原則 – ブスタマンテ
2010/06/08 (Tue) 16:20:13
平成11年度の論文本試・特許第2問を勉強中でしたが、発明の「実施」について分からなくなってしまいました。
少し長文ですが、以下が本試問題です。
1980年頃、甲航空会社は航空券の予約システムを開発し、その予約システム80を運用し、毎年システムをバージョン・アップしていた。(バージョン・アップしたシステムをxと表示する)。そのシステムのプログラムは秘密管理がなされていた。乙はこの予約システムと同じシステムを自主開発し、1990年に特許出願し特許を取得した。1990年以降も、甲は予約システムの運用を続け、毎年システムをバージョン・アップしていた。また、1995年に甲は提携航空会社丙に、予約システム95のプログラムを格納した媒体を有償で提供し、その後もバージョン・アップしたシステムのプログラムを格納した媒体を提供していた。乙は甲に対し、予約システムの使用及び丙へのプログラムの提供についての差止請求訴訟を起こした。この事案で検討すべき特許法上の問題につき論ぜよ。
上記に関する解答例については概ね、問題集(法学書院)で理解できるのですが、「甲の行為が侵害といえるのか」を検討するに際して、「システムの特許発明における一構成物であるプログラムを格納した媒体を第三者に提供する行為は、特許発明の「実施」に該当しない。」と記載されており、これは間接侵害に該当する旨の解答例となっております。
私としては、直接侵害(譲渡等する行為)ではないかと考えてしまいますが、問題文のどこをもって上記のように判断できるのでしょうか?
おそらく単純な事だと思いますが、どうか宜しくお願い致します。
Re: 権利一体の原則 – 管理人
2010/06/15 (Tue) 23:41:18
「予約システム95のプログラム」とあるので、当該プログラムはハードウェアを備えたシステムに用いられるプログラムであると思われます。
そして、特許発明は当該システムの発明ですので、プログラムはその一構成要素に過ぎないと解されます。
よって、一部実施となり、間接侵害に該当します。
【関連記事】
「間接侵害と先使用権」

なお、本日の本室更新は「H22短答試験問15」です。
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