弁理士試験-下位概念の実施は侵害か?

下位概念の実施は侵害か?
下位概念の実施は侵害か? – 焦燥感
2013/01/29 (Tue) 21:44:19
いつもお世話になっております。単純な質問で申し訳ありませんが教えてください。
H21年特許法論文の問題に関係すると思われるのですが、甲の特許権(手振れ防止機構Aを備えたカメラ)そ有しており、乙がその下位概念であってAの具体的事例の機構aを備えたカメラの実施をしている場合、乙の行為は甲の技術的範囲に属するため侵害となるという考えでいいのでしょうか。
Re: 下位概念の実施は侵害か? – 白服 URL
2013/01/30 (Wed) 01:30:38
当然です。
発明は、技術的思想の創作であるがゆえ、特許された請求項は、具体的な実施形態からいくらか抽象化した概念として記載されているのが通常です。
つまり、特許発明は、無数の下位概念の発明を内包しています。
通常、弁理士は、実施可能要件・サポート要件を満たしているか否か、新規性を備えているか否かのギリギリの線を想定しつつ、発明者が提示する具体的な実施形態からどこまで上位概念化することが許されるのかを考えながら、無駄な記載を削ぎ落とした請求項を作成することを心がけています。
その結果、発明は上位概念化された状態で権利化されます。
下位概念はいくらでも下位概念に落とすことができるのですから、もし下位概念の実施が侵害でないとすると、特許をとる意味がほとんどなくなってしまいます。
従って、特許発明の請求項の文言に含まれる下位概念の発明の実施は、その特許権の侵害となります。
なお、上記が原則ですが、その下位概念の実施形態が際立って優れた効果があるなど特別の事情がある場合は、侵害とならない可能性も考えられます。まだ裁判で争われた事例はないと思いますが。興味があれば、「選択発明」とか「穴あき説」とかを手掛かりとして調べてみるとよいでしょう。
Re: 下位概念の実施は侵害か? – 管理人
2013/01/30 (Wed) 11:50:01
白服さん
回答へのご協力ありがとうございます。
例外の具体例を補足しますと、物質Aの特許発明があり、該物質Aの用途が解熱剤である場合に、物質A+Bは下位概念にあたります。
しかし、物質A+Bに解熱効果がなければ、利用発明が成立せずに、非侵害となり得えます。
↓コチラもご参照ください。
(http://ntakei.cocolog-nifty.com/pam/2008/05/post_bf2f.html)
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