弁理士試験-カップヌードル事件について

カップヌードル事件について
カップヌードル事件について – 初学者
2013/09/02 (Mon) 22:59:32
カップヌードル事件において、最高裁は以下のように判断しています。
CUP及びNOODLEは、ローマ字を読むためのヌードルをあらわす商品名をあたかも商標のように表示して、
これを見る者をしてそのように読み取らせるものであり、かつ読み取ることは十分可能と見られるから、
いまだローマ字が模様に変化して文字本来の機能を失っているとはいえない。
だから、意匠の一部とは認められない。
要するにどんだけ文字のデザインを工夫しても文字として読める限り、意匠の一部とは認めません
ということですよね。
しかし、現在の意匠の審査基準では、文字の取り扱いについて
なお、物品に表された文字、標識は以下のように取り扱う。
(ⅰ)物品に表された文字、標識は、(ⅱ)に掲げるものを除き意匠を
構成するものとして扱う。
(ⅱ)物品に表された文字、標識のうち専ら情報伝達のためだけに使
用されているものは、模様と認められず意匠を構成しない。た
だし、図形中に表されていても削除を要しない。
例としては以下のとおり。
イ 新聞、書籍の文章部分
ロ 成分表示、使用説明などを普通の態様で表した文字
この審査基準だとカップヌードルの文字は意匠として認められそうな
気がします。あの特徴的なロゴは普通の態様とは違うのではないかと。
最高裁の判例と現在の審査基準で矛盾があるように思います。
意匠の文字はどのように取り扱われるか?のような問題が仮に出題されたときは
現在の審査基準に従えばいいのでしょうか?
Re: カップヌードル事件について – 管理人
2013/09/04 (Wed) 14:54:10
カップヌードル事件の高裁判決(昭和53(行ケ)30)では、
『文字であつても模様化が進み言語の伝達手段としての文字本来の機能を失なつているとみられるものは、模様としてその創作性を認める・・・CUPおよびNOODLEは、ローマ字を続むための普通の配列方法で配列されており、カップ入りのヌードル(麺の一種)をあらわす商品名をあたかも商標のように表示して、これを看る者をしてそのように読み取らせるものであり、かつ読み取ることは十分可能とみられるから、いまだローマ字が模様に変化して文字本来の機能を失つているとはいえない。したがつて、これを模様と認められる範囲のものとした審決の判断は誤まり』
と認定しています。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/76F28EA29E99A70249256A76002F8923.pdf
となると、特徴的なロゴ程度では普通の態様であらわした範疇に含まれるように思います(商標法とは異なる)。
簡単にいえば、現在でも商標的使用態様の文字は模様にならないのではないでしょうか。
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