(未成年者、成年被後見人等の手続をする能力)第七条 未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、手続をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができるときは、この限りでない。
・民法では未成年者は法定代理人の同意を得れば法律行為をできるが、特許法上の手続は、すべて法定代理人によらなければならない。ただし、未成年者が独立して法律行為をできるとき、たとえば、婚姻をしたときは、自らすることができる(青本-特許法)。
・民法によれば、成年被後見人の行為は取り消せるが、本条違反の場合においては、成年被後見人の行為は無効である(青本-特許法)。
・法定代理人は、通常未成年者については親権者又は後見人、成年被後見人については成年後見人である(青本-特許法)。
・法定代理人や特別授権の場合を除き証明書の提出は不要である。
・本条に違反する行為は、特許庁長官又は審判長が補正を命じることができる(特17条3項1号,特133条2項1号)。この場合、特16条に基づいて追認できる。
・未成年者、成年被後見人は手続能力がないので、手続能力の取得時を除き追認できない(特16条1項)。
2 被保佐人が手続をするには、保佐人の同意を得なければならない。
・保佐人の同意権は一連の手続に対して包括的に与えられるので、個々の手続きについて与えたり除外したりはできない(青本-特許法)。
・補佐人の同意を得て無効審判を請求した場合は、除斥申立の際に同意を得る必要はない。
・被保佐人、法定代理人は手続能力を有するので、保佐人、後見監督人の同意を得て追認できる(特16条3項,4項)。
3 法定代理人が手続をするには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。
・後見監督人は、遺言で指定する場合と、家庭裁判所が請求又は職権で選任する場合とがある(青本-特許法)。
4 被保佐人又は法定代理人が、その特許権に係る特許異議の申立て又は相手方が請求した審判若しくは再審について手続をするときは、前二項の規定は、適用しない。
・被保佐人又は法定代理人は、異議申立、相手方が請求した審判又は再審については同意を得ずに手続できる。相手側に不利益だからである。
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