弁理士試験-訂正の請求と一覧性の欠如

訂正の請求と一覧性の欠如
特許無効審判における訂正請求について質問 – 初心者
2016/12/10 (Sat) 11:52:35
H27-44-4の過去問について質問させて下さい。
問題文:「請求項1及び4について請求項ごとに特許無効審判が請求され、一群の請求項である請求項3~5に対して訂正の請求がされた後、請求項4についてのみ特許無効審判の請求が取り下げられた場合、訂正の請求がされた一群の請求項である請求項3~5に対する訂正の請求は取り下げられたものとみなされる。」
正解は×です。理由は「特134の2⑧項で、訂正が請求された一群の請求項のうちの一部の請求項に対する無効審判が取り下げられた場合、当該請求項に対する訂正の請求のみがみなし取下げされる。」ですが、請求項4の訂正がみなし取下げされ、請求項3と請求項5の訂正が残るとすると、一群の請求項(請求項3~5)ごとに訂正しなければならないという訂正要件が満たされないのではないでしょうか?一群の請求項ごとの訂正では、この一群の請求項に含まれるすべての請求項についての同時訂正が必要になるのではないのでしょうか?
ご回答のほど宜しくお願いします。
Re: 特許無効審判における訂正請求について質問 – 管理人
2016/12/16 (Fri) 12:23:30
審判請求が取り下げられても訂正の請求はそのまま残すことにすると、その後に訂正の機会が与えられなければ訂正前の状態に戻すことができず、特許権者の意思が反映できない場合があります。
そこで、訂正の請求がみなし取下げされるわけで、ここは問題ないと思います。
この場合、一群の請求項ごとに訂正請求しなければならない(特134条の2第3項)という趣旨からすると、一覧性の欠如の問題が生じます。
しかし、他の請求項(例えば請求項3,5)については、無効審判が継続することも考えられ、この場合に訂正の請求が取り下げ擬制されてしまうのには問題があります。
そこで、やむを得ず同条8項のように扱っているものと思われます。
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