R02年短答意匠問05

過去問の解説
意匠法 独学 チワワ

以下の内容はあくまで管理人の解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。もし、間違いに気付かれた方は、独学の弁理士講座掲示板、又は、メールにてご連絡下さい。

R02年短答意匠問05

意匠登録出願の補正、補正の却下に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
ただし、特に文中に示した場合を除き、意匠登録出願は、いかなる優先権の主張も伴わず、秘密意匠に係るものでも、分割又は変更に係るものでも、補正後の意匠についての新出願でも、冒認の出願でもなく、かつ、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされていないものとし、また、名義変更、秘密にする期間の変更は行わないものとし、ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく特例を考慮しないものとする。

枝1

1 拒絶査定不服審判においてした願書の記載又は願書に添付した図面等の補正が、これらの要旨を変更するものであるとして却下の決定があったとき、審判請求人が却下の決定の謄本の送達があった日から3月以内にその補正後の意匠について意匠法第17条の3に規定する新たな意匠登録出願をすれば、その意匠登録出願は、その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなされる。

解答
✕ 拒絶査定不服審判において補正後の意匠について新たな意匠登録出願をできるのは、補正却下の決定の謄本の送達があった日から30日以内である(意50条1項で読み替えて準用する意17条の3第1項)。

枝2

2 意匠登録出願についてした補正がその要旨を変更するものと意匠権の設定の登録後に認められる判断の対象は、願書における「意匠に係る物品又は意匠に係る建築物若しくは画像の用途」の記載又は願書に添付した「図面、写真、ひな形若しくは見本」に限られない。

解答
◯ 意9条の2で除外されているのは、出願人の氏名等、創作者の氏名等(意6条1項1号,2号)及び写真、ひな形又は見本の別(意6条2項)のみであるので、願書におけるその他の記載も判断の対象となる。例えば、意匠に係る物品又は建築物の材質又は大きさ(意6条3項)、変化する旨及びその物品、建築物又は画像の当該機能の説明(意6条4項)、彩色を省略した旨(意6条6項)、及び透明である旨(意6条7項)の記載も判断の対象となる。

枝3

3 意匠登録出願、請求その他意匠登録に関する手続をした者が、その手続について補正をすることができるのは、事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限られるため、拒絶をする旨の査定の謄本の送達があった日から審判を請求する日前までは補正をすることができない。

解答
◯ 事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限り補正できるが(特60条の24)、拒絶査定後審判請求前の期間は、審査又は審判に係属している期間に該当しないので、この期間に補正はできない。

枝4

4 意匠登録出願が、意匠法第3条柱書に規定する「工業上利用できる意匠」に該当しないとして拒絶理由の通知を受け、これに対応するための補正をした。当該補正に対し、当該意匠登録出願の願書の記載又は願書に添付した図面等の要旨を変更するものであることを理由として補正の却下の決定がなされた場合、当該意匠登録出願人には、要旨の変更に該当しない旨の意見書を提出する機会は与えられない。

解答
◯ 補正却下の決定を受けた者は、その決定に不服があるときは、補正却下決定不服審判を請求する(意47条1項)。意見書を提出する機会が与えられる旨の規定は存在しない。

枝5

5 意匠登録出願人が、意匠法第17条の2第1項に規定する補正の却下の決定の謄本の送達があった日から3月以内にその補正後の意匠について改めて意匠登録出願をしたときであっても、もとの意匠登録出願は取り下げたものとみなされない場合がある。

解答
◯ いわゆる補正却下後の新出願(意17条の3)ではなく、却下された補正について改めて出願手続きをすれば、もとの意匠登録出願は取り下げたものとみなされない。
間違い探しは嫌だなぁ。

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