R01年短答意匠問05

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R01年短答意匠問05

 意匠法第3条第1項各号(新規性)及び意匠法第4条(新規性の喪失の例外)に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
なお、各設問で言及した条文の該当性のみを判断し、他の登録要件は考慮しないこととする。また、特に文中に示した場合を除き、意匠登録出願は、いかなる優先権の主張も伴わず、秘密意匠に係るものでも、分割又は変更に係るものでも、補正後の意匠についての新出願でも、冒認の出願でもなく、かつ、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされていないものとし、また、名義変更、秘密にする期間の変更は行わないものとし、ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく特例を考慮しないものとする。

枝1

 1 意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする国際意匠登録出願の出願人は、意匠法第3条第1項第1号又は第2号に該当するに至った意匠が意匠法第4条第2項の規定の適用を受けることができる意匠であることを証明する書面を、国際登録後であれば国際公表前であっても、特許庁長官に提出することができる。

解答
 証明する書面は、国際公表があった日後30日内に提出できる(意60条の7)。

枝2

 2 甲は、互いに類似する意匠イ及び意匠ロを公知にした後、意匠イについて、意匠法第4条第2項の適用を受けようとする旨を記載して意匠登録出願Aをし、出願日から30日以内に意匠イのみについて、意匠法第4条第3項に規定する証明書を提出した。出願Aは、意匠ロの存在を理由に、意匠法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶される。

解答
 相互に類似する公開意匠イ及び意匠ロについて、証明する書面には出願意匠イと同一の公開意匠イしか記載しなかった場合は、意匠イの出願について例外適用を受けられるのは公開意匠イのみであり、意3条1項3号の規定により拒絶される。

枝3

  3 甲は、意匠イを創作して、ある日の朝に意匠イをインターネットの自己のサイトで公開した。その日の夕方に意匠イについて意匠登録出願Aをした。甲は、意匠イについて意匠法第4条第2項の規定の適用を受けるための手続をしていなければ、出願Aは、意匠法第3条第1項第2号に該当するとして拒絶される。

解答
 「出願前」であるので時分まで問題となる(意3条1項2号)。

枝4

  4 甲は、意匠イを創作して、展示会で自らの名前で意匠イを公開した。その後、甲は、乙に意匠登録を受ける権利を譲渡して、乙が意匠イについて意匠登録出願Aをした。この出願に際し、乙は意匠法第4条第2項の適用を受けようとする旨の主張をして、かつ甲が意匠イを公開した旨の証明書を出願日から30日以内に提出した。出願Aは、甲が展示会で意匠イを公開した事実を理由に、意匠法第3条第1項第1号に該当するとして拒絶されることはない。

解答
 意匠登録を受ける権利を有する甲の行為に起因して公知となっているので適用を受けられる(意4条2項)。

枝5

 5 甲は、形状、模様及び色彩からなる意匠イを創作して、その後、意匠イを展示会で公開した。その後、甲は、意匠イから模様及び色彩を除いた形状のみの意匠ロについて、意匠登録出願Aをした。出願Aは、意匠イについて意匠法第4条第2項の規定の適用を受けるための手続をすれば、意匠イを公開した事実を理由に、意匠法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶されることはない。

解答
 意3条1項3号の規定は「前二号に掲げる意匠に類似する意匠」であるので、同1号,2号に該当するに至らなかったものとみなされる結果、3号に該当するとして拒絶されることはない(意4条2項)。

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