H19論文試験特許問い1(2)

H19論文試験特許問い1(2)に関する質問
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H19論文試験問題1について – TT
2009/05/31 (Sun) 17:18:06
ピンポイントで申し訳ありませんが、標記の設問(2)に関して教えて下さい。
A2の発明イについては、B1が出願公開された場合やB2の公開によりB1出願公開擬制された場合に29条の2により拒絶されるのではないのでしょうか?
模範解答ではB2の公開有無により場合分けされていましたが、B1についても問題となるのではないのでしょうか?
Re: H19論文試験問題1について – 管理人
2009/05/31 (Sun) 22:25:31
TTさん
ご質問ありがとうございます。
複雑な問題ですので、間違っていたらすみません。
さて、時系列は以下の通りです。
乙が発明イをパリ条約の同盟国に特許出願(B1)

甲が発明イをパリ条約の同盟国に特許出願(A1)

乙が発明イ及びロについて、B1に基づくパリ優先を主張して日本国に特許出願(B2)

甲が発明イ及びロについて、A1に基づくパリ優先を主張して日本国を指定国に含む国際出願(A2)

乙が発明イ及びロについて、B2に基づく国内優先権のみを主張して特許出願(B3)

A2が国際公開
問題は、「出願A2に係る発明イ及びロが、乙による出願を引用例とする特許法第29条の2の規定に基づく拒絶理由を有するか否かについて、それぞれ理由とともに説明せよ。」です。
まず、B1の出願公開について、B1は外国の出願ですので、日本国特許法上の出願公開はされず、特29条の2の対象になりません。
続いて、B1の出願公開擬制について、B2はパリ優先を伴う出願ですので、重複部分についてはB1の出願日が基準となります。
よって、B2の公開のみを考慮すればよいのです。
Re: H19論文試験問題1について – TT
2009/06/01 (Mon) 00:52:02
管理人様、早々のご回答ありがとうございます。
B1はパリ同盟国の出願なので日本国特許法上の出願公開はされないことは理解しました。
しかし、Wセミナーの模範解答では、発明イについて、「出願B2が取下擬制される前に出願公開されていた場合であっても、出願A2はパリ条約による優先権の主張を伴うため、当該パリ優先権の効果により、法29条の2の規定の適用については出願A1の時点を基準として判断されることになる。よって、出願A2に係る発明イが乙による出願を引用例として法29条の2の規定により拒絶されることはない。」となっておりました。
発明イについては、管理人様もご指摘の通り、B2が出願公開された場合はB1の出願日を基準として出願公開されたこととなり、A1よりもB1の方が早いので、29の2でA2は拒絶されますよね?
Re: H19論文試験問題1について – 管理人
2009/06/01 (Mon) 12:10:40
>発明イについては、管理人様もご指摘の通り、B2が出願公開された場合はB1の出願日を基準として出願公開されたこととなり、A1よりもB1の方が早いので、29の2でA2は拒絶されますよね?
・・・そのはずですが、変ですね?
B2が公開されていれば、イ及びロ共に拒絶。
B2が非公開であれば、ロのみ拒絶だと思います。
どなたか、分かる方はいらっしゃいますか?
Re: H19論文試験問題1について – cos
2009/06/01 (Mon) 22:58:04
(1)発明イについて
甲の出願A2に係る発明イは出願A1の明細書等に記載されたものであり、パリ条約の優先権主張を伴って出願A2はされたものであるから、当該発明イの特許性の判断時は出願A1の出願時である(パリ4条B)。
一方、乙の出願B3に係る発明イは出願B1及び出願B2のいずれの明細書等にも記載され累積的に優先権を主張するものであるため、法29条の2の適用にあたっては出願B3の時に出願されたものとみなされる(41条3項)。
従って、出願A2は出願B3より先になされており、出願A2に係る発明イは法29条の2の拒絶理由を有さない。
(2)発明ロについて
甲の出願A2に係る発明ロは出願A2で初めて記載されたものであるため、特許性の判断時は出願A2の出願時である。
一方、乙の出願B3に係る発明ロは出願B2の明細書等に記載されたものであり、パリ条約の優先権主張を伴って出願B3はされたものであるから、法29条の2の適用にあたっては出願B3が出願公開されれば、出願B2が出願公開されたものとみなされる(パリ4条B、41条3項)。
従って、出願A2は出願B2の後願であるため、出願A2に係る発明ロは法29条の2違反の拒絶理由を有する(49条2号)ことになる。
Re: H19論文試験問題1について – TT
2009/06/03 (Wed) 00:27:25
cos様、コメントありがとうございます。
(1)発明イについて
B3との関係では、cosさんのコメントの通りかと思いますが、問題は乙の出願を引用例とする29の2による拒絶理由の有無ですので、B1、B2との関係も検討する必要があるのではないでしょうか。
であれば、やはりB2の出願公開の有無により場合分けが必要となり以下のようになるのではと思いますがいかがでしょう。
①B2の出願公開なしの場合
 →29の2による拒絶理由なし
②B2の出願公開ありの場合
 →B1の出願公開擬制により、29の2による拒絶理由あり
(2)発明ロについて
これもB2の出願公開有無で場合分けして、以下のようになるかと思いました。
①B2出願公開なしの場合
 →B3の出願公開によるB2の出願公開擬制により29の2で拒絶
②B2がA2出願前に出願公開の場合
 →29の2で拒絶はなし(29条3項で拒絶)
③B2がA2出願後に出願公開の場合
 →29の2で拒絶
みなさんの意見を聞きながら考えがまとまってきて結構自信があるのですが、いかがでしょうか。
Re: H19論文試験問題1について – TT
2009/06/03 (Wed) 21:16:22
たびたび申し訳ありません。
法学書院の模範解答を確認したのですが、B1との関係では、「出願B1に係る発明イは、我が国において公報掲載等されず、また、公報掲載されたものともみなされないから、A2に係る発明イはB1を引用例とする29条の2に基づく拒絶理由を有さない。」とありました。
外国において出願された優先権主張の基礎とされた出願については、優先権主張を伴う特許出願の出願公開による記載重複部分の出願公開擬制はそもそもないのでしょうか。
Re: H19論文試験問題1について – 管理人
2009/06/04 (Thu) 12:19:48
>「出願B1に係る発明イは、我が国において公報掲載等されず、また、公報掲載されたものともみなされないから、A2に係る発明イはB1を引用例とする29条の2に基づく拒絶理由を有さない。」
これはその通りです。
公開されるのはあくまで出願B2であり、特29条の2との関係ではB2の出願日が問題となるのです。
なお、特29条の2における先願の出願日を、第二国出願の日(本問の場合は日本出願の日)と解する説もあります(私は反対説を支持しています)。
>外国において出願された優先権主張の基礎とされた出願については、優先権主張を伴う特許出願の出願公開による記載重複部分の出願公開擬制はそもそもないのでしょうか。
重複部分の問題以前に、パリ優先にはそもそも出願公開擬制という制度がないです。
なお、いまさらで恐縮ですが、本問の場合、B2の公開は考慮しなくても多分合格点が付きます。
つまり、「取り下げ擬制でB2は非公開」にしてしまえばいいのです。
本試験でB2の公開まで触れると、おそらく時間がなくなります。
それに、B3の公開は問題に書かれているのに、B2が公開されたとは書かれていません。
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