H25問14枝ハ
質問 (H25 Q14 枝ハ) – あーにー
2013/06/23 (Sun) 13:54:13
初めて質問させていただきます、あーにーと申します。
あまり深入りしないほうがいいような気がしつつ、なんとなく腑に落ちないもので、ご意見などいただけたらと思っております。
本年の短答試験の表記問題で、以下の問題がありました。
「以下に示す手続きの流れで、明らかに不適法なものはいくつあるか」
で、枝ハが、
[特許無効審判Xについて刊行物aに記載された発明イに基づいて当業者が容易に発明をすることができたとして特許Aを無効とする旨の審決]→[当該審決に対する訴えの提起]→[当該訴えについて請求を認める判決(審決取消判決)の確定]→[刊行物aに記載された発明イに基づいて当業者が容易に発明をすることができたとして特許Aを無効とする旨の審決]
です。
多くの予備校などでは、この枝を「明らかに不適法」とし、その根拠をバレル事件の判旨においています。
バレル事件では
「審決取消訴訟で審決が取り消された場合は、その判決の既判力がその後の審判に及ぶ」としたうえで、
「審決取消訴訟で、『進歩性があると判断』したうえで審決を取り消したのだから、その後の審判で進歩性を否定できない」との要旨と理解しています。
ここで納得できないのが、審決取消訴訟で審決が取り消されるのは審決内容に踏み込むことにかぎらないことです。
たとえば、
・審決予告後の応答期間中なのに、応答を待たずに審決だしちゃった
・職権審理したのに、内容を通知しないまま無効審決出しちゃった
・除斥されるべき審判官が審判してた
といった手続き上の理由で審決が取り消されるケースもありうると考えます。
このような理由で無効審決が取り消された場合、特許庁では当然、適法な手続きに従って、再度同じ審決をだすことがありえると思っています。
そうなると、上記のハの枝は、「明らかに不適法」とは言えないような気がするのですが、いかがでしょうか。
Re: 質問 (H25 Q14 枝ハ) – 管理人
2013/06/23 (Sun) 22:54:05
問題文の「明らかに」が余分だとは思います。
ただし、題意より、本問においては[]の前後の事情は正誤判断に影響しないと考えるのが妥当だと思います。
よって、[特許無効審判Xについて刊行物aに記載された発明イに基づいて当業者が容易に発明をすることができたとして特許Aを無効とする旨の審決]の前に、「審決予告後の応答期間中なのに、応答を待たずに審決だしちゃった」等の事情があるという過程は不適切だと思います。
Re: 質問 (H25 Q14 枝ハ) – 白服 URL
2013/06/23 (Sun) 23:33:40
こういう選択肢が「いくつあるか問題」で出ると、困ってしまいますね。
「[当該審決に対する訴えの提起]」が、進歩性についての実体的な判断に対してではなく、手続き上の違法について提起された可能性を考え始めると、確かにそういう解釈も可能ですね。
裁判所は、当事者が主張しない事実については判断しません。これがヒントになりそうなのですが、あいにく、「[当該訴えについて請求を認める判決(審決取消判決)の確定]」という文言から請求原因が何であったのかを知ることはできませんね…。(^_^;)
出題者には、取消理由を示すなり、文言をもう少し練って欲しかったですね。
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「判決と異なる審決の可否」
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コメント
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この枝については、「明らかに不適切」で合ってるんじゃないでしょうか。私は「明らかに」があっても、試験場では変だと思いませんでした。
「明らかに不適切」は「常に不適切」の意味ではなくて、
「十中八九、不適切」くらいの意味だと思います。
この問題を一見して「ああ、この流れは不適切だな」と皆思うでしょう?
それが「明らかに不適切」な状態ではないでしょうか。
ですから、これは「例外」ではなく、「原則」を聞く問題だと思うのですが、違いますでしょうか?
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「明らかに」の解釈は主観の問題ですので大して重要ではないと思います。
問題なのは、「明らかに」の文言がなければ正答率が上がるであろうという事実です。
こういう小手先で惑わすような問題は、能力を試すという試験の趣旨に反する気がするのです。
そいういう意味で、悪問だと思っています。
蛇足ですが、私自身「明らかに」があっても正答を導けるとは思います。
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ご返信有り難うございます。
私は「明らかに」があったので、例外を聞いているのではないな、と寧ろ確信した質なので、
ない方が正答率が上がった、と言えるのかな?とその辺は疑問視してます。
とはいえ、2chのどっかのスレで
「除斥などを無視した場合があるから『明らかに』不適切とは言えない」 と、(聞こえは悪いですが)自信満々に書き込んでた人がいたので、
「明らかに」を「常に」と解釈した人が複数いたのかもしれませんね。
私は「んなわけないやろ(笑)」と心の中でツッコンでたのですが。
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まぁ、仮にも弁理士試験なのですから、疑義が生じるような記載は好ましくないと思うというぐらいの意味です。
「明らかに」を「疑いなく」と解釈する人もいて当然だと思いますので・・・。
ちなみに、問題文からも原則論を聞いていると推測できますね。
蛇足ですが、これに類する不満として「最も不適切な~」があります。
この場合に、不適切とも言える事例が複数ある中から、1つを選ばせるのはおかしいと思います。
(出題するならば、不適切と言える事例が1つしかない状態で選ばせるべき)
まぁ、蛇足ですが。
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ああ、ありますね。不正競争と著作権で多いですね>「最も不適切な~」
あの辺りは、実際の事案っぽい内容で問題を出すことが多いですから、どうしても細かい例外を完全に除外できないのでしょうね。
四法っぽい文章だとパターンが限られるのでしょうか。
まあ、明らかに他の枝と比べて不適切なので、まだいいんですけどね。
弁理士になった後は白黒はっきり分かれる案件なんて無いんでしょうし。
今年の著作権だと、「刺身包丁は著作物ではない」って枝に一瞬迷いましたね。包丁→日本刀を連想して、著作物になり得るんじゃ?と思って×にしかけました(笑)
他の枝に明らかに×の枝があったので助かりましたが。