特104条の4第3号について
特許法104条の4について – 選択受験者
2013/02/25 (Mon) 22:55:36
いつもお世話になっています。長くなりますがわからないので教えてください。H23年法改正「産業財産権法の解説(発明協会)」のP88の4行目以降の内容です。特に7行目以降の内容が意味不明なのですが、私なりに考えました。例えば甲がαの特許権に基づき乙に侵害訴訟を訴えたところ、①乙からAという理由で104条の3の主張をされ甲が敗訴しました。②ここで乙がさらにBという理由で無効審判請求をしたところ甲がα→βという訂正請求をして認められたので(この場合の無効審判の審決は無効審決にせよ、棄却審決にせよ)、③甲は「Aという理由で敗訴したのはおかしいといった再審請求はできない。」・・これが104条の4の内容だと思います。
P88の7行目以下は、甲の敗訴後に、④乙とまったく異なる第三者丙が起こしたCといった理由の無効審判請求請求に対して甲のα→γとした訂正請求が認められた場合、「甲はα→γと訂正されたので乙からされたAという理由で敗訴されたのはおかしい」といった再審ができる、ということでしょうか。
Re: 特許法104条の4について – 紛争の蒸し返し防止
2013/02/26 (Tue) 00:02:29
紛争の蒸し返し防止規定ですよ(趣旨)高部判事のPDFでもお読みになれば理解できるのでは?上記判事で検索できるはずです。ダブルトラックの問題は、紛争の魅し返しを制限することを前提に事例を考えることをおすすめします。
Re: 特許法104条の4について – 選択受験者
2013/02/26 (Tue) 07:13:47
「紛争の巻き返し」防止とはあくまでも当事者間どおしの紛争の巻き返しを回避する趣旨であって、「他者」は自由に再審できるという考え方に基づく理解でいいのですね。
Re: 特許法104条の4について – 管理人
2013/02/26 (Tue) 19:17:55
まず、特104条の4の説明ですが、仮に特許権者甲と第三者乙が特許権侵害訴訟で争い、甲が勝訴して乙が賠償金を支払ったとします。
ここで、後日特許無効審判において、特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は初めから存在しなかったものとみなされるため、通常は再審事由に該当します。
しかし、特許権侵害訴訟等において、乙は特許の有効性について主張立証する機会と権能が与えられていたこと(特104条の3)に鑑みると、かかる再審を認めることは紛争の蒸し返しといえます。
そこで、乙に対して再審の事由を制限しています。
これを踏まえて、改正本88頁の件ですが、同箇所は特104条の3第3号に関して、特施令13条の4第1号(特許権者勝訴の場合)と、同2号(特許権者敗訴の場合)の説明です。
つまり、4-7行については御質問の前提が間違っています。
すなわち、特許権者(質問の甲)勝訴の後に「発明の普及目的で権利の一部を縮小するために、特許権者が無効理由と関係なく訂正をしたような場合における訂正認容審決等」が、再審事由になることを説明しています。
また、7行以下は御質問の通りです。
すなわち、特許権者(質問の甲)敗訴の後に「侵害訴訟で立証された無効理由とは異なる無効理由に基づいて、侵害訴訟における被疑侵害者とは異なる第三者が請求した無効審判において、当該無効理由を解消するための訂正をした場合における訂正認容審決等」が、再審事由になることを説明しています。
紛争の蒸し返し防止 V2 – 紛争の蒸し返し防止
2013/02/26 (Tue) 17:43:40
そもそも再審は、確定した審決の当事者または参加人が請求適格があるのでは、当該当事者等以外の審決関わりのない第三者が登場する場面とは、どのような場面を想定しているのでしょうか?第三者に再審の請求適格はないのでは?(171条)第三者が別途無効審判を請求した場合、その審決に不服があるのであれば、当事者(第三者)として再審請求できるだけなのでは?当事者でないもの丙が当事者である甲と乙の審決の再審を請求することできない(移転等を考慮しない場合)。
Re: 紛争の蒸し返し防止 V2 – 管理人
2013/03/01 (Fri) 12:01:54
「他者は自由に再審できるという考え方に基づく理解でいいのですね。」
に対する質問だと思います。
まず、最初の話は確定「判決」に対する再審の話なので、民事訴訟法の問題であり、特171条は関係ないです。
ただ、結論としては同じで、第三者に再審の請求適格はないです。
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