弁理士試験-問題文の深読みについて

問題文の深読みについて
論文試験における問題文の深読みについて – 碧
2013/05/17 (Fri) 23:52:31
最近某答練を受けていて、以下のようなケースがありました。
「甲は発明イについて我が国で特許を受けようとして、出願Xをした。そして、Xを基礎としてPCT出願をし、日本に移行(日本語特許出願X1)した。XとX1の当初明細書等にはイが記載されている。」
「乙は発明イについて外国A(パリ条約同盟国)で特許を受けようとしてA国に出願Yを外国語でし、Yを基礎としてPCT出願をし、日本に移行(外国語特許出願Y1)し、日本語の翻訳文を提出した。Y1の当初明細書等の翻訳文にはイが記載されている。」
ところで、問題文には「Yの当初明細書等にイが記載されていたか否か」について何も記載がないため、解答時にイの記載の有無(優先権の効果)について場合分けして解答したところ、「問題文に『イについて特許を受けようとして』と書いてあるので題意把握ミスだ」と採点者から怒られました。
少し納得いかないところもあるのですが、これは私の日本語読解力が無かったと反省することでいいのでしょうか…。たまに深読みっぽいことをしてしまうことがあって、そこは治さないといけないのですが…。
Re: 論文試験における問題文の深読みについて – 白服 URL
2013/05/18 (Sat) 01:55:16
こんばんは。
私は採点者の考えに賛成です。
発明イについて特許受けようとして出願Yをしたのであれば、出願Yの出願書面のどこかに発明イが記載されているはずです。これは疑いようがありません。
さらに言えば、
(i)出願Yのうち、請求の範囲と明細書の両方に発明イが記載されていると考えるのが自然です。
(ii)請求の範囲に発明イが記載されておらず、明細書に発明イが記載されていると考えるのは、少々不自然です。自発補正によって請求の範囲に発明イを記載する可能性は残っていますが、発明イについて特許を受けようとする者が、出願時に請求の範囲に発明イを記載しないことは考えにくいからです。
(iii)また、請求の範囲に発明イが記載され、明細書に発明イが記載されていないと考えるのは不自然です。自発補正によって明細書イに発明の詳細な説明について記載したとしても、そのとき、新規事項追加の可能性や発明イのサポートの観点から問題が生じやすいと考えられるからです。
肝心なのは、上記(i)~(iii)のいずれにしても、出願Y1の優先権主張の効果は否定されないということです。パリ条約4条Hです。繰り返します。パリ条約4条Hです。
ところで、ご質問の内容は、ひょっとして、「Y1の当初明細書等にイが記載されていたか否か」の誤りではないでしょうか? こちらのほうがまだ議論の余地があると思うのですが…。
Re: 論文試験における問題文の深読みについて – 碧
2013/05/18 (Sat) 20:34:36
白服様
ありがとうございます。パリ4条Hは理解しております。
(三年半企業知財部で実務をやっておりますので。。。)
本問は優先権と、29条の2を考えさせるオーソドックスな問題なのですが、解答に至る考え方というより、問題文の前提をどう捉えるかでつまづいたのです。XとX1については、上記の前提が記載されているのですが、Yについては記載がないことから、Y1にその優先権の効果が生じないのでは、と考えたのです。「イがYに記載されていない可能性が絶対ゼロだとはいえないのではないか(とろうとして、と書いてはあるけれども。。。)」と悩んだ末でした。
ちなみに、ご指摘の通り、Y1の原文にイが記載されていたかどうかも前提の記載が問題文にありませんでした。そこはスルーしてしまいましたが、解答にそんなことは何も書いてありませんでした。
条文に関する質問というより、論文試験で問題文を素直に読もうとしているのですが、記載がない場合にあり得る前提をどこまで考えればいいかわからなくなってしまっています。実務をやっている弊害なのかしら、とも考えていますが。。。
Re: 論文試験における問題文の深読みについて – 管理人
2013/05/18 (Sat) 22:22:38
白服さん
回答への御協力ありがとうございます。
さて、私としては、重要度に応じての記載すればよいのだと思います。
論文試験においては、落としてはならない項目があるかと思います。
まずは、その項目を記載して、余った時間であれば有り得る場合について「なお書き」で書けばよいと思います。
仮に書き過ぎであっても、なお書きであれば減点の対象とならないと思われます。
Re: 論文試験における問題文の深読みについて – 碧
2013/05/19 (Sun) 22:32:24
管理人様
ありがとうございます。
多分まだ「落としてはならない項目」に気付く余裕が無いのだと思います。。。タイムプレッシャーの中で必死に食らいついてる感じです。
後1ヵ月半精進します。
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